チャドウィック・ボーズマンの早すぎる死に、MCU俳優&監督らが追悼コメントを発表
アメコミ映画史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされ、また世界中で歴史的な大ヒットを記録したマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『ブラックパンサー』(18)。その主人公であるブラックパンサーことワカンダ国王のティ・チャラ役を演じたチャドウィック・ボーズマンが現地時間8月28日、大腸がんのため43歳の若さでこの世を去った。
大学で演劇を学び、2000年代からテレビシリーズを中心に俳優として活動してきたチャドウィックは『エクスプレス 負けざる男たち』(08)で映画デビュー。その後『42 世界を変えた男』(13)でメジャーリーグ界の偉人ジャッキー・ロビンソン役を、『ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜』(14)ではジェームズ・ブラウン役を演じ大きな注目を集めた。そして『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)からブラックパンサー役を演じ、一躍スター俳優の仲間入りを果たした。
2016年にステージ3の大腸がんであると診断され、闘病生活をつづけながら『ブラック・パンサー』や「アベンジャーズ」シリーズ、またスパイク・リー監督が手掛けたNetflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』(配信中)などの撮影に臨んでいたチャドウィック。彼の突然の訃報に、映画関係者はもちろん、世界中の映画ファンが深い哀しみに包まれている。本稿では、故人の代表作となった『ブラックパンサー』をはじめとしたMCU作品の関係者からの追悼コメントをいくつか紹介していきたい。
アイアンマンことトニー・スターク役のロバート・ダウニー・Jr.は自身のツイッターで、病と闘いながら俳優としての職務をまっとうしたチャドウィックを称え、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース役のクリス・エヴァンスは「チャドウィックは特別な人で、とても熱心で好奇心にあふれたアーティストだった」と、感謝の言葉を捧げている。また、クリス・ヘムズワースやトム・ホランド、クリス・プラット、ブリー・ラーソン、ドン・チードルら共演者たちも続々と自身のSNSにチャドウィックへの想いを投稿した。
「アベンジャーズ」シリーズを手掛けたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟はInstagramで「チャドウィックはとても誠実で途方もない才能を持ったエレガントな人物だった。彼に敬意を表す最善の方法は、彼を見習って他人に優しさと愛情を示すことだ」とコメント。ルッソ兄弟に加え、ジェームズ・ガン監督やタイカ・ワイティティ監督といったMCU作品に関わった映画監督たちもそれぞれのSNSに追悼コメントを投稿している。
そして『ブラックパンサー』でメガホンをとったライアン・クーグラー監督は、マーベルの公式サイト上で追悼コメントを発表。「私の思いを綴る前に、まずは彼にとって非常に大切な存在であるご家族への哀悼の意を表明します」という書きだしから始まる長文には、チャドウィックとの出会いやキャスティングの経緯、撮影中のやり取りなどの思い出が詳細に綴れれている。「彼が私たちに残したものは、とても驚くべきものでした。これほど深い喪失感を味わったことはなかった。もう彼のクローズアップをモニターで見ることもできなければ、新しいテイクを要求することもできないと気付き、壊れてしまいそうになりました」と、チャドウィックへ思いを馳せ「再び会える日まで、彼は私たちを見守ってくれることでしょう」と綴っている。
さらにはDCからレーベルの垣根を越えて偉大なヒーローへの哀悼のコメントが寄せられたほか、ドウェイン・ジョンソンやウィル・スミス、マーク・ハミルなど、多くの俳優たちもチャドウィックのあまりにも早すぎる死を悼む投稿をしており、その数はいまも増えつづけている。
文/久保田 和馬