菅井友香が明かす、欅坂46の「嘘と真実」…平手友梨奈への想いと“25歳の決意”

インタビュー

菅井友香が明かす、欅坂46の「嘘と真実」…平手友梨奈への想いと“25歳の決意”

「てちのパフォーマンスひとつひとつに、ドラマが見えた」

グループの絶対的センター、平手友梨奈の脱退までの過程も克明に描かれる
グループの絶対的センター、平手友梨奈の脱退までの過程も克明に描かれる[c] 2020「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂 46」製作委員会

欅坂46を語るうえで欠かすことが出来ないのが、センターとして中心に立ちつづけた平手友梨奈の存在だ。“てち”の愛称で知られる彼女は、結成当時14歳とグループの最年少メンバーでありながら、圧倒的な存在感でカルチャーアイコンとも呼ぶべき地位へとのぼりつめる。
作中では、結成当時のまだあどけない表情から、重圧のなかで徐々に変化していく姿、そして今年1月の脱退発表までが鮮やかに描写されるとともに、メンバーそれぞれが「平手友梨奈」というカリスマ的存在について語っていく。

作中では、メンバーそれぞれが“平手友梨奈”という存在について語っていく
作中では、メンバーそれぞれが“平手友梨奈”という存在について語っていく[c] 2020「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂 46」製作委員会

作中で「ファンの方と同じように、彼女のパフォーマンスが好き」と語っていた菅井は、自身が考える平手の魅力について「たくさんの努力を重ね、彼女自身ももがきながら、考えながらパフォーマンスに向き合っていくストイックさにあると思う」と明かす。
「シングル曲ではてちがセンターを務めることが当たり前になっていき、てちをイメージするような歌詞をいただくことが増えていくなかでも、誰かを真似しているのではなく、自分自身で表現を生みだすことができるところがすごいと思っていました。あまりこういうことを言っててちの負担になったら嫌なのですが、個人的にはパフォーマンスひとつひとつにドラマが見える気がして、すごく尊敬していたんです」。

デビューするや、欅坂46は瞬く間に大きな人気を獲得する
デビューするや、欅坂46は瞬く間に大きな人気を獲得する[c] 2020「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂 46」製作委員会

シングル「世界には愛しかない」「二人セゾン」「不協和音」、1stアルバム「真っ白なものは汚したくなる」の発売、冠番組「欅って、書けない?」「全力!欅坂46バラエティー KEYABINGO!」の放送開始、連続ドラマ「徳山大五郎を誰が殺したか?」「残酷な観客達」にメンバー全員で主演、そして「第67回NHK紅白歌合戦」への初出演と、デビューからわずか1年ほどのうちに欅坂46はスターダムを駆け上がっていく。

順風満帆に見えた彼女たちに最初の試練が訪れるのは、作中でも大きく取り上げられる「欅坂46 全国ツアー2017 真っ白なものは汚したくなる」日本ガイシホール公演での事件だ。心身ともに疲弊した平手が当日に休演を発表し、ツアーはセンター不在のまま続行されることになる。菅井は、大きなプレッシャーと格闘する平手の心情に寄り添っていく。

「キャプテンとしてアドバイスをするというよりも個人として、グループの活動のことやライブの演出、てちがやってみたいことについては、『思うことがあったら言ってね』といつも声をかけていました」。

「センターに立たせていただいて、てちの見ていた世界を初めて感じることができました」

センター不在でライブ活動が続行される過程で、メンバーはそれぞれの壁にぶつかっていく
センター不在でライブ活動が続行される過程で、メンバーはそれぞれの壁にぶつかっていく撮影/黒羽政士

2018年4月、武蔵野の森総合スポーツプラザにて開催された「欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」では、不在の平手に代わって、菅井が「不協和音」のセンターを務めた。「それまでもライブで『不協和音』を披露するたびに曲の持つ重みを強く感じていたのですが、まさか自分がセンターをやらせていただくなんて。とても責任を感じました」と当時を振り返る。

「実際にセンターに立たせていただくと、これまでとはまったく違う難しさがありました。みんなから殴られる振り付けの時には本当に心が苦しくなって、気持ちのコントロールが大変な曲なんだと初めて知ることができた。でも逆に、その曲のメッセージをまっすぐ伝えられる喜びも味わうことができて、てちの見ていた世界を少しでも感じることができた気がしました。より彼女の力になりたいと願うきっかけになったので、私にとって大きな出来事だったと思います」。

不安な状況のなか、菅井は長濱ねるの存在に助けられたと語る
不安な状況のなか、菅井は長濱ねるの存在に助けられたと語る撮影/黒羽政士

さらに菅井は、その際の長濱ねるとのエピソードも明かす。「『不協和音』のパフォーマンスのフォーメーションは、ねると私がてちを挟んでシンメトリーになる立ち位置だったので、それがきっかけで話すことが増えました。てちがお休みしている時も、『どうしたら力になれるかな』とか『そっとしておいてあげた方がいいのかな』と相談に乗ってくれたり。私がセンター代理に立つ時には一緒に居残り練習をしてくれて、振り付けのTAKAHIRO先生に一曲通しで見ていただく時に、ねるが涙を流して感動してくれたんです。それが励みになって、本番もがんばることができました」。

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