吉永小百合、伊勢谷容疑者の逮捕に「乗り越えて撮影現場に帰ってきてほしい」。出演シーンはカットせず公開
吉永小百合主演映画『いのちの停車場』(2021年公開)の撮影現場会見が、9月11日に東映東京撮影所で開催され、吉永、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、みなみらんぼう、成島出監督が登壇。9月8日に大麻取締法違反で現行犯逮捕された俳優の伊勢谷友介について吉永は「とても残念な想いです」と苦しい胸のうちを語った。
本作は、終末期患者やその家族と真摯に向き合う在宅医師を描いた医療ドラマ。吉永が、出演作122本目にして、初めて医師役、白石咲和子役を演じる。吉永は伊勢谷について「伊勢谷さんとは初共演なんですが、今回の(伊勢谷の)役が、脊髄損傷で体の自由がきかなくなって、なんとか在宅医の咲和子に、自分を蘇らせてほしいと頼む役です。2人で対峙して、台詞の応酬があるしっかりとしたシーンになっています」と共演シーンについて述べた。
また「私は伊勢谷さんとやって、いいシーンが撮れたと。お互いに想いやいろんなものがぶつけられて、たぶんきちんと撮れているんじゃないかと思っています。ですから、今回の報道で知ってとても残念な想いでいますし、事実がわからない部分もあるんですが、なんとかこういうことを乗り越えて、また、撮影の現場に帰ってきてほしいというふうに思っています」と語った。
冒頭では、東映の代表取締役社長、手塚治からも伊勢谷の件について「大変なショックを受けております。私ども製作を担当するチームと、関係いただく各企業との間で何度か相談を続けました。そして、私ども製作と配給を担当する東映といたしまして、同俳優のシーンについてカットはせずに映画を完成させ、公開することにいたしました」と語った。
その理由としては「映画はクローズドなメディアでテレビ放送やCMとは質の異なるものであると思っております。作品と個人とは別のものであるという見解のもと、今回は作品を守るという判断をさせていただきました」と説明した。
また、松坂と広瀬は、吉永と初共演となった。松坂は「大変緊張しております。いつか吉永さんとご一緒してみたいと思っていたのですが、本当に嬉しくて。日々勉強させていただいてます」と紅潮しながらコメント。
広瀬も「ご一緒できると思っていなかったので、すごく光栄だなという感想だったんですが、現場での1つ1つ丁寧で優しくて。お芝居をしていても緊張してしまう毎日です」と笑顔で感想を述べた。
取材・文/山崎伸子