香取慎吾が惚れる、三谷幸喜の才能とは?「誰かが、見ている」製作秘話
「コロナ禍でも、一番おもしろものを提供していくというのが、僕らの仕事」(三谷監督)
三谷は、香取とのタッグについて「香取さんとは、仕事以外のプライベートで会ったりすることはゼロで、仕事の時だけ会う関係ですから、馴れ合いみたいな感じはないです。僕と彼との関係は、毎回僕が『香取さんでこういうことをやりたい』と思って台本を書き、それをやってもらうという流れですが、いつか『三谷さん、これまでと変わらないから、今回はできませんよ』という日が来るかもしれない。そうならないようにと、毎回、緊張があります」。
香取は「三谷さんとご一緒できて幸せです」とうれしそうに話す。「三谷さんのことが好きですし、三谷さんがいろんなものを生み出す才能に惚れているので、そこに参加できるだけでも幸せだなと。自分がいない作品を観ると『なんで僕はここにいないんだろう』と最初に思うけど、次に『僕は、ここには必要がないと三谷さんが思ったから、いないんだ』と言い聞かせます。だから、その次なのか、次の次なのか、三谷さんが僕となにかをやりたいと思ってくれることが、終わらないようにと、常に願っています」。
また、コロナ禍におけるエンタテインメントのあり方についても聞いてみた。
香取は「こんなに難しい状況になるとは思ってもいなかったんですが、やっぱりエンタテインメントは、必要だと感じています。新しいやり方もたくさん出てきて、形もどんどん変わっていくと思うけど、僕はいままでのものも決してなくならないだろうと思ってます。ライブもそうだし、舞台も劇場で、ソーシャルディスタンスをとって、お客様をお迎えする形になっています。でも、満員御礼の劇場で、演者が客席に近い場所でお芝居ができるようなことが、これから先、なくなることがなければいいなと願っています」。
三谷も「僕は舞台の人間だから切実に思いますが、本当に大変です。演劇が一番痛手を被っている」と激白。
「ライブであることが必然であり絶対だから、ライブじゃない演劇は、演劇的ではあるけど、演劇ではないという感じがすごくあります。もちろん、早くもとの形に戻るといいなと思うんですが、演劇は演劇で頑張っているので、それプラス、配信などの新しいいろんなものが出てきたので、僕らとしては、それをうまく利用するしかないし、利用すべきだとも思っています。そこで一番おもしろいものを提供していくというのが、僕らの仕事だから」。
取材・文/山崎伸子
2020年9月18日(金) Amazon Prime Videoにて独占配信
脚本/演出:三谷幸喜
出演: 香取慎吾、佐藤二朗、山本千尋、長野里美、宮澤エマ、夏木マリ
ゲスト出演:くっきー!(野性爆弾)、西田敏行、高嶋政宏、寺島進、
稲垣吾郎、山谷花純、近藤芳正、松岡茉優、橋本マナミ、八嶋智人、
さとうほなみ、小日向文世、大竹しのぶ、新川優愛、小池栄子ほか