等身大の青春群像が笑って泣ける!乃木坂46メンバー共演の『映像研には手を出すな!』の必見ポイント
乃木坂46の齋藤飛鳥と山下美月、梅澤美波の3人が共演した『映像研には手を出すな!』が公開中だ。テレビアニメ化もされ大きな話題を博した大童澄瞳の同名コミックを原作にした本作には、個性豊かなキャラクターたちが織りなす等身大の青春群像がぎっしり。
ロボットやアニメといったキーワードだけを見るとターゲットが限定されていると思われがちだが、そのイメージを軽々と払拭するまっすぐでエネルギッシュな青春ドラマが展開。世代も性別も問わず、どんな人の心にも響く普遍的な物語に仕上がっている本作の、見どころとなるポイントを紹介していきたい。
物語の舞台は500を超える倶楽部と同好会がひしめきあい、収集がつかなくなっている芝浜高校。入学した浅草みどり(齋藤)は、カリスマ読者モデルの水崎ツバメ(山下)と、交渉力に優れたプロデューサー気質の金森さやか(梅澤)とともに映像研究同好会(通称:映像研)を設立。“最強の世界”を作りだすために、アニメ制作に奮闘していた。そんななか、校内を牛耳る“大・生徒会”は部活動の統廃合に向けて動きだし、映像研をアニメ研究会と統合させようと目論んでいた。その動きを察知した映像研の3人は一足先にロボット研究会と手を組み、活動成果を示すための画期的なロボットアニメ制作に向けて動きだすのだが…。
ドラマ版を見ていなくても大丈夫!映画ファン必見のオマージュも
今年4月からTBS/MBS系列「ドラマイズム」枠で放送されたテレビドラマ版では、3人の出会いと映像研の設立から幕を開け、彼女たちが校内で引き起こしてきた騒動や大・生徒会との熾烈な攻防が描かれた。
一般的にテレビドラマの映画版は、設定や登場人物、これまでのあらすじなどの予習はマスト。しかし本作では、冒頭の約20分で一連の流れをプレイバックしてくれるので、テレビドラマ版を観ていないという人でも問題なし。登場人物たちの関係性やユニークな物語の設定にスムーズに入ることができる安心設計となっている。
しかも単なるあらすじ説明ではなく、本作の雰囲気が存分に伝わるユニークな語り口で進められるあたり、さすがコメディ映画の鬼才として映画ファンから信頼を寄せられている英勉監督。「実写映画ならではの過去の名作へのリスペクトも込めた」とインタビューで語っていた英監督は、この冒頭シーンから黒澤明監督の『羅生門』(50)のオマージュを全開に。劇中にはほかにも日本映画の名作オマージュが盛りだくさんなので、目の肥えた映画ファンも楽しめること間違いなしだ。