等身大の青春群像が笑って泣ける!乃木坂46メンバー共演の『映像研には手を出すな!』の必見ポイント
齋藤飛鳥の新境地!乃木坂46メンバーの魅力が全開
なんといっても魅力的なのは、原作のキャラクターを完全にトレースした映像研3人の演技。抜群の想像力を持ちながら、人を見るだけでめまいを起こしてしまうほどの極度の人見知りの浅草役を演じる斎藤。彼女が見せる、乃木坂46でのイメージとは180度異なる愛嬌抜群の表情の数々はもちろん、クールなようで空気を読めない水崎役の山下に、“めんどくさい”2人を器用にまとめあげる豪快さを持った金森役の梅澤のギャップ満点のコメディ演技は目が離せない。
もちろん齋藤は「sweet」で、山下は「CanCam」で、梅澤は「with」と、3人ともファッションモデルとして活躍するだけあって、制服の着こなし方でさりげなく個性を表している点も見逃せない。
そんな3人の撮影現場での様子について、英監督は「3人とも総じてプロフェッショナルなんです。ハードな現場ではあったと思うんですが、どんなにしんどくても態度に出したりしないし、セリフが抜けたりすることもない」と絶賛。「梅澤さんはストイックで、逆に真面目すぎて笑えてくるほど。山下さんは屈託がなさそうでムードメーカーぽく見えるけど、実はしっかり物事を考えてる。齋藤さんは初めて会うタイプの人で、腹を括ったときのカッコよさはまだ21歳(撮影時)とは思えない。若い人とやっている感じがしなくて『この人、人生何回目なんだろう?』」と感じたそうで、それぞれが真剣に作品づくりに打ち込んでいたことを語っている。
また、物語のカギを握る「気象研究同好会」の晴子役を演じる浜辺美波や、ひょんなことから映像研と手を組むことになる音響部の百目鬼役を演じる「Seventeen」モデルの桜田ひより、そして大・生徒会の小西桜子と福本莉子、グレイス・エマと、個性豊かな女子たちが勢ぞろい。
ほかにもロボット研のメンバーとしてNHK連続テレビ小説「エール」に出演中の板垣瑞生、『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)での好演も記憶に新しい赤楚衛二と、男子キャストの熱演も必見だ。
好きなものに突き進む!“部活映画”の醍醐味に涙
映像研の3人はもちろん、登場するキャラクター全員が自分の“好き”に向かって精一杯に突き進んでいく姿がとにかく胸アツ。板垣演じるロボット研の小野が机の上に乗ってロボットへの熱い愛を語る姿や、先輩たちから引き継がれてきた部のレガシーを守ろうとする百目鬼。英監督と乃木坂46メンバーがタッグを組んだ『あさひなぐ』(16)や、「ちはやふる」シリーズなど部活を題材にした作品は、青春ドラマの鉄板中の鉄板。いま青春時代真っ盛りの人はもちろん、すでに大人になった人もあの頃を思いだしてうずうずしてしまうだろう。
さらに、様々なピンチに直面しながらもそれぞれの役割に徹して互いに支え合い、絆を深めていく映像研メンバーの姿や、家族からアニメに関わることを禁止されている水崎の家族との関係を描くドラマ性にも注目。そのアツさは、本作が公開されるやSNSに「笑えるし、泣ける」という感想が多数寄せられているほど。
そんなエンタテインメント性の高さに英監督は「乃木坂46のファンはもちろん、乃木坂46を知らない人が観ても普通に楽しんでもらえる。ハードルを上げて観にきてもらって大丈夫」と自信たっぷり。
是非とも劇場に足を運び、乃木坂46メンバーをはじめとした若手キャストたちの熱演で笑って泣いて、この上なく前向きな気分を味わってほしい。
文/久保田 和馬