佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也が揃う唯一のシーン!?『サイレント・トーキョー』撮影現場に潜入!

コラム

佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也が揃う唯一のシーン!?『サイレント・トーキョー』撮影現場に潜入!

「佐藤さんの存在感、伝わってくるものがありました」(西島)

緊迫のシーンが続く撮影ながら、佐藤は常にムード作りを怠らず、雑談でスタッフとコミュニケーションを取り、場を和ませる場面も多く見られた。大御所と言えるキャリア持つ佐藤だが、怒号を発するようなシーンでも、NGを出すと明るい笑い声を上げ、待ち時間には記者らの方へ足を向け、「小説の映画化は難しいねぇ」と笑いかけてくれもするなど、現場での雰囲気は常に柔らかく感じられた。

佐藤の存在感を絶賛した、世田役の西島秀俊
佐藤の存在感を絶賛した、世田役の西島秀俊[c]2020 Silent Tokyo Film Partners

一方で、カメラが回る直前には「いいかな?」と現場中に通る声を出し、一気に空気を切り替わらせる。西島もその存在感には圧倒された様子で、「やっぱり存在感がすばらしいですし、使命感を持って生きる人物を演じている時に伝わってくる、信念のようなものを感じました」と佐藤を絶賛した。またこの日撮影されたシーンについて、「本当にワンシーンほどでしたが、役者の立場からしても見ごたえがありました。映画の重要なシーンになるので楽しみにしています」と手応えも感じたことを明かした。

そんななか、先輩俳優たちの胸を借りるつもりで撮影に臨んだという中村。「先輩たちは本当に皆さんとてもフランクで、気さくに話かけていただきましたし、役者同士という意味では正面からぶつかっていくことが出来たチームでした」と、本作ですばらしい経験を積むことが出来たようだ。

中村倫也は、先輩俳優たちとの共演に感無量だったそう
中村倫也は、先輩俳優たちとの共演に感無量だったそう[c]2020 Silent Tokyo Film Partners

そんなチームを率いた波多野監督は、撮影の合間に「楽しいな、“芝居”を撮ってるっていう感じがする」とうれしそうに語っていた姿が印象的だった。モニターを見ながら熱心に台本へ何事かを書き込み、時にはカメラの近くを飛びだして演技指導を行うなど、俳優たちに真っ向からぶつかっていた波多野監督。佐藤も「監督、ちょっと思ったんだけど一度見てみてくれる?」と積極的に演技プランを提案し、短い取材時間ながら、一丸となり作品を作り上げていく本作の“チーム力”を感じることが出来た。

どんでん返しの連続ということで、多くの謎に包まれたままの本作。佐藤は、見所を次のように語る。「映画である以上、まずはエンタテインメントとして観て頂ければと思います。その先に、なにかのど元にちょっとだけでも引っかかる物があるとしたら、それこそが、この映画がもたらすものだと思うので、お客さんそれぞれに感じて頂けたらいいなと」。
クリスマス・イブに勃発した連続爆破テロと、様々な立場の登場人物たちの運命が交差する先に待ち受ける、衝撃の真実とは。巧妙なストーリーと臨場感あふれるサスペンスを、一丸となって作りあげたスタッフ、キャストからのクリスマスプレゼントとして、ぜひ劇場で味わってほしい。

文/編集部

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