吉高由里子と横浜流星、『きみの瞳が問いかけている』で共に難役に挑んだ舞台裏
目の不自由なヒロイン役に初挑戦した吉高由里子と、10kg増の肉体改造で孤独なキックボクサー役に挑んだ横浜流星。2人はW主演映画『きみの瞳(め)が問いかけている』(10月23日公開)で共に難役と向き合い、非常に純度の高いラブストーリーをつむぎあげた。2人を直撃し、撮影秘話を聞いてみると、それぞれに刺激を受け合った、非常に有意義な現場だったことがうかがえた。
不慮の事故で視力を失った柏木明香里(吉高)は、ある日、罪を犯し、キックボクサーの夢を絶たれた篠崎塁(横浜)と出会う。互いに惹かれ合う2人だったが、その先には残酷な運命が待ち構えていた。本作のメガホンをとったのは、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)や『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)の三木孝浩監督だ。
吉高は、横浜の印象について「画面越しに観ていたイメージとはまったく違いました」という感想を持ったという。「年齢が23、24歳と聞いていたので、もっときゃぴきゃぴしている方だと思ったら、こんなにも落ち着いた方だと知って驚きました。でも、子どもっぽい一面もあるし、きっといろんな顔を持ってる方だと思います。お芝居では、すべてのシーンにおいて、真剣に考えてくれる方なので、心から信頼できました」。
横浜は逆で「僕はテレビなどで観てきた吉高さんとあまり変わらない印象でした」と言う。「現場でも常に明るくて、皆さんを和ませてくれる方なので、僕も居心地が良かったです。もちろん、いま、悪ふざけができるようになったのも、吉高さんが明るい空気感を作ってくださるから」。
吉高は、本読みの段階で、横浜の生真面目さを目の当たりにした。「その時は、ただの顔合わせで、まさかリハーサルまでするとは思っていなかったんです。そしたら、流星くんは、あんなに忙しいのに、すでに台詞を完璧に覚えてきていたので、『これはヤバい!』と思いました。私なんて時間の余裕があるのに、台本を見ながらやっていたから、こんなに熱量を持って臨んできた流星くんに対して失礼だなと反省しました」。
横浜は「吉高さんは、自分のなかにある硬い扉をボンと開けてくださった感じで、すごくありがたかったです」と振り返る。「本読みでは、やっぱり先輩を前にして『まったく覚えてないじゃない』と思われたくなかったし、作品に対する想いも強かったので、全部覚えていったんです。でも、吉高さんこそ、ちゃんとすでに明香里としていてくださったので、すごい!と感動しました」と、お互いを称え合う。