吉高由里子と横浜流星、『きみの瞳が問いかけている』で共に難役に挑んだ舞台裏
「流星くんは、ストイックなのか、ドMなのかもわからないくらい自分を追い込む」(吉高)
三木監督とは、『僕等がいた』(12)以来、8年ぶりの再タッグとなった吉高。「三木さんは、毎回最初にお手紙をくださいますが、そこには、役の内容や、自分と役の共通する部分、監督の考えなどが書かれています。それを読めば、自分が役に向き合う方向性を最初に調節してもらえるので、現場ではスムーズにスタートを切ることができます。また、三木監督は言葉だけじゃなく、監督自身がお芝居をしながら説明してくれるので、微妙なニュアンスも伝わります。今回は、初めて目の見えない役を演じましたが、2人で一緒に探りながら、擬音のような言葉でずっと話し合っていた感じでした」。
横浜も「僕も手紙をいただいたことが、すごくありがたかったです」と同意見だ。「自分も役作りや作品に対していろいろと考えていたんですが、三木監督からの手紙を読んで、監督の想いが、僕を導いてくれたと思います。三木監督は、いつも僕らに寄り添い、1シーン1シーンを大切に作ってくれる方なので、すごく心強かったし、やりやすかったです」。
吉高は、横浜と塁との共通点について「どっちも貫くタイプ。意志が強いというか、追い込まれても、立ち向かえるメンタルを持っている感じがしました」と言う。
「今回の現場は、本当に寒かったんですが、流星くんは、体脂肪が5%しかないのに、水しか出ないシャワーを浴びなければいけなくて、身体から湯気が出ていたんです。ボクシングシーンも、食事制限もあり、お腹が空いている状態でやらなければいけなかったし。見ていて、ストイックなのか、ドMなのかもわからないくらい、自分のことを追い込んでいました。それでも倒れないし、めげないんです」。
横浜は、過酷なキックボクシングの格闘シーンを、発熱した状態で臨んだそうだ。
「流星くんは、熱で倒れてもおかしくない状態でしたが、激しいシーンを撮影したんです。そこでも一切めげることはなく、最後までやりきったそうです。それなのに、終わったあとも『今日、朝イチにやったあのシーンをもう1回撮り直したい』と言う話になって。そこでもなに1つ文句を言わないなんて、すごい人だなと思いました」。
横浜は「いや、作品が良くなるのなら…」と微笑む。横浜は、吉高と明香里の共通点を尋ねられると「けっこう近いのかなと勝手に思っていました。たぶん、いろんなことを考えて背負っているのに、それを周りに見せず、いつも明るく太陽のようにいてくれる方だから」と吉高をリスペクトする。吉高は「いやいや」と恐縮しながら「自分のことはよくわからなくて。私は、自分の説明書をなくしてまして」と照れ隠し。