北村匠海が見つめる、“ブレイク後”の自分「限りなく一般人でいたい」
北村匠海が、公開中の『とんかつDJアゲ太郎』でタイトルロールのアゲ太郎役を務め、コメディに初挑戦した。「かなりエッジの効いた作品なので、最初のほうはコメディということをすごく意識し、おもしろく演じなければいけないと思っていたんです。でも途中からは、これまで自分がやってきた芝居のスタイルに変換していきました」という北村を直撃し、本作の現場を振り返ってもらいつつ、過去作での失敗談などについても語ってもらった。
『とんかつDJアゲ太郎』は、イーピャオが原案を、小山ゆうじろうが漫画を手掛けた同名コミックの実写映画化作品。とんかつ屋の三代目跡取り息子であるアゲ太郎は、ある日訪れた渋谷のクラブで聴いた音楽と衝撃的な出会いを果たし、とんかつもフロアもアゲられる、“とんかつDJ”を目指すこととなる。
メガホンをとったのは、『チワワちゃん』(19)の新鋭、二宮健監督だが、独特の表現を用いた演出に面食らうこともあったそうだ。「印象深かったのが、アゲ太郎が『DJを始める』と宣言するシーンです。監督いわく『あなたは教えを説く人です』と。撮影初日で、そこからまんまと迷路に迷い込んでしまいました。でも、被り物をしたり、裸同然で走り回ったりと毎日が新鮮で、皆が『おもしろい』と言ってくれたので、頑張りました(笑)」。
アゲ太郎のライバルとなる、カリスマDJの屋敷役を演じた伊藤健太郎について、北村は「10代のころに出会った“戦友”のような間柄」だと明かす。2人は2016年に連続ドラマ「仰げば尊し」で初共演して以降、親交を深めてきた。
北村は伊藤について「僕は健太郎のいろいろな出演作を観て、めっちゃ多才な俳優だなと思ってきました。ただ、彼は一見、なんでもこなせるように見えるけど、お芝居に関しては悩んだりするタイプ」と言う。「それでも結果的にはどんな役でもやれているところがすごい。とても柔軟だなと思っています。また、僕にはないものを健太郎は持ってるし、もちろんほかのキャストもそうですが、それぞれに違う個性があると思っています」。