V6・井ノ原快彦が語った、なにわ男子・道枝駿佑との“親子関係”「17歳の叫びってすごいな」
「道枝くんを見て『17才の叫びってすごいな』と思いました」
最後に流れる「Lookin’4」という曲は、道枝と一緒にセッションをした。「レコーディングは、俊美さんに立ち合っていただいたんですが、その前にも何回か2人で合わせてみました。道枝くんはいままでハモリをしたことがなかったみたいで、なかなか上手くつかめなかったんです。それで『じゃあ、撮影の合間に練習しようよ』ということで、2人で特訓しましたが、すごく飲み込みが早かったです」。
また、井ノ原は、親子同様の関係性を築けるようにと、“タメ口協定”を道枝と結んで、お互いの距離感を縮めていったとか。撮影中も、親のような目線で道枝を見ていたようだ。
「道枝くんに『本作で一番、大事にしているシーンはどこなの?』と聞いたら、『浜辺で叫ぶシーンかな』と言っていたんです。僕が初々しいと感じたのは、道枝くんがそのシーンについて『大事だと思ってる』とか『難しそう』とか言うのではなく『頑張りたいと思ってる』と言っていたこと。僕もそのシーンを見てみたいと思い、楽しみにしていたんですが、実際にロケをした場所が、たまたま一樹が子どもの頃から家族で来ていた浜辺だったんです」。
井ノ原は、このシーンの撮影時、熱いものがこみ上げてきたと言う。「それは、虹輝が悩んだ挙げ句、そこにたどり着いて叫ぶというシーンでした。その時、道枝くんを見て『17才の叫びってすげえな』と思いました。自分はもう、そういう声は出せないと思ったし、声質だけの話ではなく、心の揺らぎというか、彼の人間性が出ていたんです。僕は、なんだかすごく良いものを見せてもらえたなと思って、ぐっときました」。
飾らない性格は井ノ原の魅力であり、いい意味で相手に隙を与えられるから、観る者が共感しやすいキャラクターを作れるのだ。それは、間違いなく、俳優としての大きな武器に違いない。特に『461個のおべんとう』は、そういう井ノ原の持ち味が最大限に活かされていて、非常に味わい深い作品となったと思う。
取材・文/山崎伸子