庵野秀明が“特撮の未来”へエールを!『シン・ウルトラマン』公開日が2021年初夏に決定
日本のみならず海外でも100を超える地域で放送されるなど、いまなお人気を誇るヒーロー“ウルトラマン”を、企画・脚本に庵野秀明、樋口真嗣が監督という『シン・ゴジラ』(16)タッグで映画化する『シン・ウルトラマン』の公開日が2021年初夏に決定し、福島県須賀川市にオープンした「須賀川特撮アーカイブセンター」で、シン・ウルトラマンのスタチュー(立像)が初お披露目された。
1966年に放送開始された「ウルトラマン」は、護送中の宇宙怪獣ベムラーに逃げられたM78星雲人がパトロール中の科学特捜隊ハヤタ隊員が乗ったVTOL機に激突するところから幕を開ける。その宇宙人は瀕死の重傷を負ったハヤタと一体化して地球の平和のために働くことを誓い、普段はハヤタとして怪獣たちに立ち向かいつつ、危機に陥ったときにはウルトラマンに変身して激闘を繰り広げていく。
昨年の12月に行われた「TSUBURAYA CONVENTION 2019」では、庵野が「ウルトラマンの美しさに少しでも近づきたいという願いから生まれた姿」だと語るシン・ウルトラマンのビジュアルがお披露目され、話題となった。
そしてこのたび、福島県須賀川市出身で、「特撮の神様」とも称されるウルトラマンの生みの親、円谷英二に関する貴重な資料等を収集および調査研究することを目的とした「須賀川特撮アーカイブセンター」が開館。開館に先立ち開催された開館式に福島県知事、須賀川市長らとともに「特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)」の理事長でもある庵野をはじめ、樋口と尾上克郎准監督が出席。そこで、シン・ウルトラマンのスタチュー(立像)が初お披露目された。
鋭意制作中だという『シン・ウルトラマン』だが、立像に関しては開館に間に合わせるべく庵野、樋口からのたっての要望で急ピッチで制作を進め、今回のお披露目に至ったということだ。スタチューの高さは約2m、“スペシウム光線”発射のポーズをしたデザインで、映画で登場するウルトラマンの1/33スケールとなった。
オリジナルデザインを手がけた成田亨が目指していたウルトラマンの本来の姿を描くことをデザインコンセプトとし、その美しさに少しでも近づきたいという願いから生まれたシン・ウルトラマン。このお披露目を受けて庵野は「この須賀川特撮アーカイブセンターの顔として、お出迎えに相応しいものになったと思います」とコメントを寄せ、樋口は「細部にこだわって作っているので、よく見てもらいたい。特に耳に注目してください!」とにこやかに感想を述べた。なお、本スタチューは2021年春ごろまで須賀川特撮アーカイブセンターにて展示予定とのこと。
さらに『シン・ウルトラマン』の公開が2021年初夏に決まったことも発表となり、放送開始当時初めてテレビで「ウルトラマン」を目撃した時と同様の衝撃を再びもたらすことを目指す本作が、放送開始から55年経てヴェールを脱ぐことになった。
生誕55周年のメモリアルイヤーに向けて加速を始めた「シン・ウルトラマン」。“光の巨人”が姿を現すその日を、固唾をのんで見守りたい。
●庵野秀明コメント
「『特撮』の技術や資料などを保存するこの須賀川特撮アーカイブセンターが開館した本日は、『特撮』にとって第一歩と言える日です。まだまだ、日本中にある特撮ミニチュアの作品、資料を保全する為に第二号、第三号とアーカイブを設立して、将来的にはミュージアムや特撮スタジオを建てるなど、『特撮』の未来に繋がっていくところまで辿り着けたらと思います。感無量過ぎて、ありがとうという言葉しか出てきませんが、アーカイブセンター開館にご尽力いただいた皆様に感謝いたします」
文/MOVIE WALKER PRESS編集部