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ストップモーションとは思えない圧巻の映像表現を生みだすアニメスタジオ、ライカとは?

コラム

ストップモーションとは思えない圧巻の映像表現を生みだすアニメスタジオ、ライカとは?

ライカ史上最大規模!世界中を舞台にした冒険を描く最新作

その技術の高さが最大限に生かされているのが最新作『ミッシング・リンク~』だ。本作は、ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に、名声を得るために未確認生物の発見に命を燃やす変わり者の紳士ライオネル卿(声:ヒュー・ジャックマン)が、ひょんなことから出会ったビッグフットのMr.リンク(声:ザック・ガリフィアナキス)を相棒に、彼の仲間を探そうと世界中を冒険していく。

本物と見まごうような圧巻の風景が描かれる。これらは「ナショナルジオグラフィック誌」を研究して生みだしたという
本物と見まごうような圧巻の風景が描かれる。これらは「ナショナルジオグラフィック誌」を研究して生みだしたという[c] 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

ロンドンの街から、雪山、荒野、ジャングルなど、あらゆる場所で繰り広げられる壮大な物語を紡ぐために、なんと製作に5年もの年月を費やしたという本作。ライカ史上最多となる1486ものショット数や、同じく史上最多の110ものセット数、映画全体の映像処理に費やされた時間は1万2785年相当におよぶなど、とんでもない規模の作品となっている。

実際に大きなセットを組んで撮影が行われている
実際に大きなセットを組んで撮影が行われている[c] 2019 SHANGRILA FILMS LLC.

そんな途方もない作業の積み重ねで作りだされた映像は、アニメとは思えないほど滑らかで、人形とは思えないほど豊かなキャラクターたちの表情や、実際にセットを組んでいるからこその美しく実在感のある風景はとにかく圧巻だ。それでいながら、ダイナミックな水中や断崖絶壁でのアクション、キャラのユーモラスな動きなど、この手法だからこそ実現した映像は、観客に驚きを与えてくれることだろう。

メインストリームとは異なる作品の作り方を武器に、その方法だからこそ実現しうる作品を生みだしているライカ。ミニマムなイメージのあるストップモーションアニメの常識を覆す大スペクタクルな映像は、スクリーンでこそ堪能するべきだ。

文/トライワークス

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