『魔女がいっぱい』本編シーンに見る『チャリチョコ』のような溢れるファンタジー感
『チャーリーとチョコレート工場』(05)の原作者で知られるロアルド・ダールのもうひとつの人気作を『プラダを着た悪魔』(06)のアン・ハサウェイ主演で実写映画化した『魔女がいっぱい』(12月4日公開)。ハサウェイが“恐ろしくも美しい”大魔女を演じる本作より『チャリチョコ』を彷彿とさせるファンタジー感満載の本編が公開され話題となっている。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのロバート・ゼメキス監督をはじめ、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)のギレルモ・デル・トロ、『ROMA/ローマ』(19)のアルフォンソ・キュアロンらハリウッドを代表する名匠が製作に名を連ねる本作。1960年代、美しい外見とは裏腹な邪悪で危険な大魔女グランド・ウィッチ(ハサウェイ)は、ホテルに魔女たちを集めて秘密のたくらみを目論んでいた。そこで偶然集会に紛れ込んでしまった少年をグランド・ウィッチが魔法でネズミに変えてしまい、世界中の魔女たちを巻き込んだ思いもよらぬ事態が繰り広げられる。
このたび、その重要なシーンとなるグランド・ウィッチが食いしん坊の少年ブルーノをネズミに変えてしまう本編映像が解禁。魔女たちの集会で、グランド・ウィッチがチョコレートを口実にブルーノを呼び出すが、「チョコをよこせ!」と近づくと「点火!」というグランド・ウィッチの叫びと共にブルーノは魔法でネズミに変えられてしまう。
原作者が同じということもあり、本作と『チャリチョコ』には共通点が満載。まずは主人公が子ども嫌いだということ。『チャリチョコ』ではジョニー・デップ演じるウィリー・ウォンカがワガママな子どもたちを嫌っていたが、本作では子ども嫌いのグランド・ウィッチが子どもを一人残らずネズミに変える“秘密のたくらみ”を実行する。また食いしん坊の少年がチョコレートに誘惑されハプニングに巻き込まれてしまう点も共通している。両作品も“チョコレート”が重要なキーワードとなっていて、ワクワクと驚きに満ちたファンタジーの世界が描かれている。
ハサウェイは「お気に入りのロアルド・ダールの作品はたくさんあるけれど、どの作品も子どもたちの感情がリアルで、感傷的でないところがとてもいいと思います。子ども向けの本では全てのことを曖昧に描くことがあるけれど、『魔女がいっぱい』をはじめとするロアルド・ダールの作品の子供たちは物事の本質を捉えて描かれている。それが新鮮でした」とコメント。奥深くファンタジックな世界に期待が高まる同作の本編映像を、先日公開されたグランド・ウィッチの口裂けシーンの特別映像と共にチェックしてみてほしい。
文/富塚沙羅