全米ランキングに、あの日本アニメがランクイン!『鬼滅の刃』は今年の世界興収第5位に
例年であれば、一年で一番の書き入れ時となるクリスマスシーズンの幕開けを告げる感謝祭前の週末。ここ数年を振り返ってみれば、『アナと雪の女王2』(19)をはじめとしたディズニー作品や、「007」「ファンタスティック・ビースト」「ハンガー・ゲーム」「トワイライト」…といった人気シリーズ作品が次々と公開され、さらには翌年のアカデミー賞を見据えた作品も出揃う。まさに北米興収がもっとも華やかになる時期と言ってもいいだろう。
しかし今年は、いままでとはまったく違う状況。年末に近付くにつれてさらに悪い方向へと進むのではないかと思ってしまうほど、先週末(11月20から22日)の北米興収ランキングは冷え込むことに。
ブラムハウス製作の『ザ・スイッチ』(2021年1月15日公開)が前週に引き続きナンバーワンを獲得するも、その売上げは前週比64%ダウン。100万ドルを超える興収を記録したのは同作のみで、上位10作品の合計興収はわずか530万ドル。
これは大作映画はおろかメジャー配給作品すら公開されず、世界中がクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』(公開中)にすべての希望を託していた8月中旬以来、最低の数字だ。
そんななか第10位にランクインしたのは、日本のアニメ映画『劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]III.spring song』(公開中)。人気ビジュアルノベルゲームを劇場アニメ化した3部作の最終章となる本作は、前2作同様に期間限定のイベント上映ながら、304館で3日間に20万ドルを売り上げランク入り。
ちなみに第1作『I.presage flower』は2018年に2日間だけ上映され19万3833ドル。第2作『II.lost butterfly』は昨年春に1日だけの上映ながら42万ドルを超える大盛況。時期が時期なだけに多くは求められないが、今回の第3作のイベント上映は6日間。もしかすると、日本同様前2作を超える成績をあげるかもしれない。
いずれにしても同じufotable制作で、現在日本で歴史的な大ヒットを記録している『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(公開中)が来年初頭に北米公開を控えているだけに、日本のアニメ映画がこのタイミングで存在感を発揮しているのはうれしいかぎり。
ちなみにその『鬼滅の刃』だが、2020年公開作品の全世界興収ランキングで5位まで上りつめている。日本国内では『千と千尋の神隠し』(01)の興行収入308億円超えが注目されているが、こちらのランキングでは『ソニック・ザ・ムービー』(20)の3億1910万ドルが次なる壁として立ちはだかる。
すでにワールドワイドなものになっている“鬼滅旋風”が、どこまで伸びるのか楽しみだ。
文/久保田 和馬
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