森七菜「なんだこの小娘は!と思った方もいるはず」TAMA映画賞授賞式で熱い意気込み
映画ファンの祭典「第30回映画祭 TAMA CINEMA FORUM」にて「第12回TAMA映画賞」の授賞式が11月29日に府中の森芸術劇場 どりーむホールで開催され、最優秀新進女優賞を受賞した森七菜と松本穂香らが出席。飛躍の年となった2020年を振り返り、今後の抱負を明かした。
「TAMA映画賞」は、明日への元気を与えてくれる、夢をみせてくれる活力あふれる“いきのいい”作品、監督、俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するもの。2019年10月から2020年9月に一般劇場で公開された作品及び監督、キャスト、スタッフが対象となる。
岩井俊二監督作『ラストレター』において、「天真爛漫な役を輝くような透明感をもって活き活きと演じ、物語に爽やかな風を送り込んだ」ことが評価された森。放送中のドラマ「この恋あたためますか」でヒロインを演じるなど、目覚ましい活躍を見せている19歳だ。
『ラストレター』の撮影で、森は「アドリブを最初にちょこっとだけやってみたら、意外と怒られなかったので(笑)。それだったら、楽しいことを自分からも提案できたらいいなと思った」とアドリブも繰りだし、岩井監督を驚かせたという。ステージに登壇した岩井監督は「小リスのような…」と森の印象を楽しそうに明かし、「カゴから出すと、ピュッとどこに行くかわからないような感じ。カメラのどのへんに立つんだろうという、スリリングな演技がすてきでしたね」とその魅力を語っていた。
今年を振り返り、森は「今年は、皆さんに驚いてもらうことが多かった1年だと思っていて。この賞をいただけたこともそうですし、初めてドラマや映画の主演をやらせていただいたり、それで私を初めて知った方がいらっしゃって」としみじみ。「『?』(ハテナ)と思った方もいらっしゃったと思うんです。『なんだ、この小娘は。いきなり現れて』と思った方もいらっしゃったと思うんですけど、来年はその『?』を『!』(びっくりマーク)に。『なるほど!だから!』と思ってもらえるように努める1年にしたいと思います」と意気込んでいた。
同じく最優秀新進女優賞を受賞した松本穂香『君が世界のはじまり』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『his』『青くて痛くて脆い』と出演作が相次いた。最優秀新進監督賞を受賞したふくだももこ監督とステージ上で相思相愛ぶりを見せるなど、輝くような笑顔を見せた。
【第12回TAMA映画賞受賞結果一覧】
■最優秀作品賞:『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同)、『ラストレター』(岩井俊二監督、及びスタッフ・キャスト一同)
■特別賞:『アルプススタンドのはしの方』(城定秀夫監督、及びスタッフ・キャスト一同)、『音楽』(岩井澤健治監督、及びスタッフ・キャスト一同)
■最優秀男優賞:福山雅治(『ラストレター』『マチネの終わりに』)、濱田岳(『喜劇 愛妻物語』『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『決算!忠臣蔵』『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』)
■最優秀女優賞:水川あさみ(『喜劇 愛妻物語』『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』『ミッドナイトスワン』)、長澤まさみ(『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』)
■最優秀新進監督賞:HIKARI(『37セカンズ』)、ふくだももこ(『君が世界のはじまり』)
■最優秀新進男優賞:宮沢氷魚(『his』)、北村匠海(『サヨナラまでの30分』『思い、思われ、ふり、ふられ』『影踏み』『ぼくらの7日間戦争』『思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ版)』)
■最優秀新進女優賞:松本穂香(『君が世界のはじまり』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『his』『青くて痛くて脆い』)、森七菜(『ラストレター』『青くて痛くて脆い』『地獄少女』『最初の晩餐』)
取材・文/成田 おり枝