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「正直、リサーチなんてほぼやらない」“親切なロシア料理店”オーナーを演じる名優ビル・ナイの俳優観とは?

コラム

「正直、リサーチなんてほぼやらない」“親切なロシア料理店”オーナーを演じる名優ビル・ナイの俳優観とは?

役へのリサーチはしない?次々と飛びだすビル・ナイ語録!

過去に来日した際、神戸牛を食べた感想を「天国にいる気分」と表現するなど、独特な感性を持つナイ。『名探偵ピカチュウ』では、ポケモン図鑑をはじめ関連書籍を読み漁って「ポケモン」を研究し、「ポケモンやポケモントレーナーは奥深い」と感銘を受けたそう。

【写真を見る】フォトセッション中にスマホを構えてしまうお茶目なビル・ナイ
【写真を見る】フォトセッション中にスマホを構えてしまうお茶目なビル・ナイ写真:SPLASH/アフロ

本作のインタビュー映像でも、そういった彼のつかみどころのないキャラクターは十分に伝わってくる。『人生はシネマティック!』(16)以来、2度目のタッグとなったロネ・シェルフィグ監督について「なに1つ、誰1人おろそかにしない。物事におもしろさを見いだすのがうまい」と説明し、共演したキャスト陣についても「すばらしかった」と絶賛。一方で、世界各国から実力派キャストが集まったこともあり、「演技の仕方に影響があったか?」と聞かれると、少し考えて「わからないね。私には影響はないよ。自分のパートを演じるだけだからね」とバッサリ。「目の前の課題に集中するだけで、最終的な構成がどうなるかは見えていない」と語っている。


さらに、長いキャリアの中で「役柄のリサーチ方法は変わってきた?」という質問にも、「唯一変わったのは、リサーチをしたフリをしなくなったことかな。正直、リサーチなんてほぼやらない」とまさかの回答が。「必要なことは全部脚本に書かれているよ。書かれていない背景まで読み取れというのは、脚本家の怠慢だと思うね」とも続けるなど、次々と飛び出すどこか達観したナイならではの語り口がなんともおかしい。

本作の出演シーンはそれほど多いわけではないが、確かな演技力で観客の心をつかんでしまいそうなナイ。インタビュー映像のたたずまいには、劇中での役柄にどこかリンクするところがあるので、気になる人はぜひスクリーンで彼の魅力を堪能してほしい。

文/平尾嘉浩

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