ジョージ・クルーニーが明かす、コロナ禍の新作に込めた願い「人生には闘っていく価値がある」

インタビュー

ジョージ・クルーニーが明かす、コロナ禍の新作に込めた願い「人生には闘っていく価値がある」

ジョージ・クルーニーが、監督、製作、主演と3足のわらじを履いたSF大作『ミッドナイト・スカイ』が、Netflixで全世界独占配信中だ。第78回アカデミー賞監督賞にノミネートされた『グッドナイト&グッドラック』(05)など、監督やプロデューサーとしても評価の高いクルーニーだが、本作は彼が手掛けた作品群のなかで、もっともビッグバジェットの作品となった。MOVIE WALKER PRESSでは、そんなクルーニーを直撃し、本作に込めた想いをオンラインインタビューで語ってもらった。

【写真を見る】撮影現場で談笑するジョージ・クルーニー、過去もっとも大きな規模となった本作に込めた想いは?
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クルーニーが扮するのは、地球滅亡を前に、1人北極に留まった孤独な科学者、オーガスティン。彼が謎の少女と出会い、共同生活をするなかで、任務を終えて地球へ戻ろうとする宇宙船の乗組員サリー(フェリシティ・ジョーンズ)たちの存在を知る。オーガスティンは彼女たちの帰還を止めようとするが…。

「本作はただのアクション映画ではなく、人類について熟慮する作品なんだ」

原作は、作家リリー・ブルックス=ダルトンの小説「世界の終わりの天文台」だが、クルーニーは「このストーリーが、贖罪の物語である点」に惹かれたそうだ。
「僕の演じたオーガスティンは、後悔の念でいっぱいの年老いた男だ。いまさら人生を償えないし、時間を取り戻すこともできないが、そんな彼が贖罪を深く必要としている点がいいと思った。折しもいまは皆が家にいて、感情的に枯渇している。だからこそ、そんななかでも希望があることを、誰もが思い出すような映画にしたかった」。

本作のスケール感についてクルーニーは、「『ミッドナイト・スカイ』は、僕がいつも作っているサイズの映画じゃないよね。『グッドナイト&グッドラック』なんて600万ドルで作ったし。ただ、非常にパーソナルな物語だという点は、これまでの映画と同じだよ」と言う。

謎の少女(カイリン・スプリンガル)と出会い、共同生活をしていくオーガスティン
謎の少女(カイリン・スプリンガル)と出会い、共同生活をしていくオーガスティン

その言葉通り、本作はSF大作でありながら、家族について描く、非常に静謐でセンシティブな物語だ。
「本作はただのアクション映画ではなく、人類という存在を熟慮する作品だし、ペースもゆっくりと静かに進む映画だ。今回、Netflixがこういう大きなスケールの物語を手掛ける機会を与えてくれたことにはとても感謝している。また、自分が思い描いたビジョンを、そのまま映像化できたので、本当に誇らしいよ」。

製作と監督だけではなく、主演も務めたクルーニーは「僕のパートを先に撮れたのが良かった」と明かす。「そのあとでほかの部分を撮影したから、最初に自分のパートに集中して演出することができたんだ。秘訣は準備万端でいること。撮るものの準備を8~9か月の間しっかりとしていたから、カメラの前にパッと立って演技をして、カメラの後ろに戻ることはそう難しいことじゃなかったよ」。

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