【今週の☆☆☆】キュートなロマコメ『エマの秘密に恋したら』、癒しと感動をくれる『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き』など、週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、最悪の出会いから始まった恋を描くラブストーリー、動物写真家・岩合光昭がミャンマーや北海道で暮らすネコの家族を見つめるドキュメンタリー、ハリウッドで活躍するスタントウーマンの奮闘ぶりに勇気をもらうパワフルな一作まで、元気をくれる3本!
嫌味なく楽しい!女子の本音が炸裂のロマンチック・コメディ…『エマの秘密に恋したら』(公開中)
『お買いもの中毒な私!』の原作者でもある人気作家ソフィー・キンセラによる、ベストセラー小説「エマの秘密に恋したら…」の映画化。且つ製作陣が『バチェロレッテ -あの子が結婚するなんて!』と聞けば、相当“女子を煽って当てに来てる”と思わずにいられないが、いやいや、ヒロインの天然気質ぶりが面白くて可愛くて、嫌味なく実に楽しい!出張先でヘマをやらかし、昇進もパーになったエマは、帰りの飛行機で乱気流に巻き込まれる。ショックで落ち込んでいた上にパニックに陥ったエマは、隣の席の男性に、仕事の失敗談から彼氏の愚痴やら性癖までを、ぶちまけ続ける。ところが翌日、カリスマオーナーとして会社に現れたのが、全てをぶちまけた相手だった!
オーナーとちょっとドジな社員の恋の行方――。本作の勝因は、やっぱりエマのキャラクター。日本人からすると一見エキセントリックに見えるものの、下ネタも含めてほぼほぼ女の子って実はエマが口に出すコトを心の中で思っているもの。ゆえに共感必至!会社の人間関係あるあるも小気味よい。ちょっとピリピリした空気の今こそ、“こんな出会い、本当にあったらいいなぁ~”と軽い気持ちで楽しめる、おススメのロマンチック・コメディだ。(ライター・折田千鶴子)
「家族愛」をテーマに、個性豊かなネコたちのドラマが展開…『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』(公開中)
動物写真家、岩合光昭が引き出すネコのかわいい表情に誰もがメロメロになるテレビ番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」。日常の癒しである番組の「もっと見ていたい!」という視聴者の願望を大いにかなえてくれるのが劇場版。第二弾となる『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』のテーマは「家族愛」。番組で出会ったミャンマーのインレー湖上でネコと暮らす一家に岩合が再訪。ネコと人が一つになって生活する様子は絵画のような美しさだ。カメラはネコの大家族が暮らす北海道の牧場にも。母ネコ同士が熾烈に争ったかと思えば、よその子ネコを我が子と一緒に育てる母ネコの姿あり、なかなか母離れできない男子ネコがいたりと、こちらは人間界真っ青のドラマが展開。ネコたちの個性が実にユニークで、お気に入りのネコについエールを送りたくなる。ナレーションは中村倫也。動物好きな中村の演技とはまた違う、優しく穏やかな声もこの作品ならでは。(ライター・髙山亜紀)
スタントウーマンの過酷な現実と仕事にかける思い…『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』(公開中)
ここ数年、マーベルやDCのヒーロー映画で、女性の主人公は「常識」になった。スター女優たちがアクションに積極的に挑む風潮も、さらに加速。そんなムーブメントの中で、スタントウーマンたちの役割もかつてないほど重要になっている。彼女たちの素顔にフォーカスしたこのドキュメンタリーは、アクション映画の歴史における女性のスタントの変遷や、社会でのジェンダーの問題で、「なるほど」と納得するエピソードや、「そんなことまで!?」と驚く裏ネタまで、最後までテンポよく展開。業界のレジェンドや、現役のスタントウーマンが赤裸々に告白するのは「男性以上に仕事にかける思いが強くないと、生き残れない」という過酷な現実で、言葉のひとつひとつに胸が締めつけられる。つねに命の危険にさらされる恐怖もビビッドに伝わる。『マトリックス』や『キル・ビル』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの貴重なクリップとともに、アクション映画の歴史を振り返ることも可能な、映画ファン必見の一本だ。(映画ライター・斉藤博昭)
週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/サンクレイオ翼