オスカー争いに新潮流!?アカデミー賞にもNetflixのオリジナル作品が!
日本時間2月27日(月)に控えた第89回アカデミー賞授賞式。史上最多タイとなる14ノミネートの『ラ・ラ・ランド』(公開中)が話題の中心だが、そんなアカデミー賞に見逃せない新潮流が生まれつつある。なんと今回の候補には、世界最大級のオンラインストリーミングサービスとして日本でもおなじみのNetflixのオリジナル作品が4本もノミネートされているのだ。
大注目は作品賞、脚本賞ほか4部門にノミネートされている『最後の追跡』。天然ガスの採掘が進むテキサス西部を舞台に、牧場を守るために銀行強盗を繰り返す兄弟の運命と、事件を追う年老いたテキサス・レンジャーの追跡劇を描くクライム・アクションだ。
荒涼とした西部を舞台に、家族のために犯罪に手を染める男たちと、彼らをジリジリと追いつめるレンジャーのせめぎ合いを、骨太なタッチで活写。退職を目前に控えたベタランのテキサス・レンジャーを演じるジェフ・ブリッジスは、助演男優賞にもノミネートされ、主演男優賞を受賞した『クレイジー・ハート』(09)以来、2度目のオスカー獲得となるか期待されている。
長編ドキュメンタリー部門には、アフリカ系アメリカ人の歴史に真正面から挑んだ『13th-憲法修正第13条-』がノミネート。監督は、『グローリー/明日(あす)への行進』(14)で公民権運動を後押しするきっかけとなった“セルマの行進”を描いたエヴァ・デュヴァネイ。アメリカ国内に根強く残る人種差別問題と刑務所制度の関係に鋭く切り込んだドキュメンタリーとなっている。
また短編ドキュメンタリー部門には、“終末期医療の決定”という倫理的にも精神的にも困難が伴う決断プロセスに向き合った『最後の祈り』と、戦火が止まないシリアで民間人救助を行う民間防衛隊の姿を追った『ホワイト・ヘルメット-シリアの民間防衛隊-』の2作品もノミネートされている。
今回の候補作はもちろん、今後はポン・ジュノ監督作『オクジャ / Okja(原題)』やブラッド・ピット主演作『ウォー・マシーン / War Machine(原題)』、アダム・ウィンガード監督の『デスノート / Death Note(原題)』、ウィル・スミスとデヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』(16)タッグによる『ブライト / Bright(原題)』など、話題作が目白押し。賞レースにノミネートされるような上質なオリジナル作品が増えつつある今のうちに、Netflix発の映画を抑えておきたい!【トライワークス】