ずん・飯尾和樹が語る『映画 えんとつ町のプペル』に感じた“動いたもの勝ち”精神と、「自分自身を褒めてあげたい3つのできごと」
お笑いコンビ、キングコング西野亮廣原作の絵本を映画化した『映画 えんとつ町のプペル』が、公開から24日間で観客動員100万人を突破するなどヒットを飛ばしている。西野と同じく芸人で、スーさん役の声優を務めたずんの飯尾和樹を直撃。クチコミで広がりを見せる本作の魅力をはじめ、活躍を続ける俳優業への向き合い方、映画ファンとしての原点について語ってもらった。
本作の舞台は、煙突だらけで空全体を黒い煙に覆われた“えんとつ町”。ゴミから生まれたゴミ人間のプペルと、少年ルビッチが、「煙の向こうに星がある」という父の教えを信じて冒険に出る。西野が原作のほか、製作総指揮や脚本を務め、『海獣の子供』(19)などのSTUDIO4℃がアニメーションを制作した。
「コロナ禍のいまだからこそ、突き抜けていくルビッチたちに共感できる」
飯尾は、最初に映画を観た時、スーさんの「空を見上げる」という設定が、自分と重なったという。「僕もよく、空を見てました。バイトの合間に、『なにをやってるんだろう』と思いながら見ることもあったし。空を見ると、希望みたいなものが湧いてくるのかな。そういえば自分もそうだったなと、映画を観て思い出しました」。
また、「まず画がきれい!最初のオープニングからすばらしい」と画面の美しさを絶賛する。「キャラクターたちの目も好きです。僕はあまりギラギラしている目が得意じゃないので、人間とアニメの中間くらいの大きさがちょうどいいです。でも、やっぱり一番は画かな。本当にこだわった画になっているし、見せたいものが押し付けがましくない。まさに座って見られる美術館みたいな感覚で、映画館へ行ってほしいです」。
プペル役の声優を窪田正孝が、少年ルビッチ役を芦田愛菜と、人気俳優が担当しているのも本作の特徴だ。
「お二人ともすごく上手でしたし、しっくりハマってました。また、プペルがゴミから生まれたという設定も良かったし、僕はルビッチとプペルを見て、結局は動いたもん勝ちなんだなとも思いました。たとえ条件が揃ってなくても、とにかく空を見てみたいと思って冒険に出るところがいいです」。
現在、世界中がコロナ禍の真っただなかにあり、黒い煙に覆われているえんとつ町の陰鬱さが、奇妙に現実世界と地続きで感じられるとも言われている本作だが、飯尾も「おそらくいま、みんながもやもやしているから、そこを突き抜けていくルビッチたちに共感できるんじゃないかな。きっと西野さんも芸人として人気が出るまでにはいろいろとあったと思うし、今回も絵本から作り上げてきた大変さを感じていただろうし」と、西野の心の内も慮る。
「絵本を出した時も、きっと本作の登場人物のように、『そんなこと、やれるわけないだろ。なにをやってるんだよ』と言われていたと思うんです。でもちゃんと動いて、映画も一流の人たちを集めて作り上げた。やるからにはちゃんとしたものじゃないダメだと、西野さんは考えていたと思います」とコメント。