ずん・飯尾和樹が語る『映画 えんとつ町のプペル』に感じた“動いたもの勝ち”精神と、「自分自身を褒めてあげたい3つのできごと」

インタビュー

ずん・飯尾和樹が語る『映画 えんとつ町のプペル』に感じた“動いたもの勝ち”精神と、「自分自身を褒めてあげたい3つのできごと」

「一度でいいから、渥美清さんを生で見たかったです」

また、芸人だけではなく、俳優としても様々な映画やドラマに出演し、爪痕を残している。昨年は「私の家政夫ナギサさん」や「MIU404」などの人気ドラマ、映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』などで、スパイス的な役を演じて好評を博した。いまや名バイプレーヤーと言って過言ない飯尾は、俳優の仕事について、2006年の舞台「フクロウの賭け」で共演した江守徹から言われた言葉が心に残っているそうだ。

映画好きな飯尾和樹の、思い入れたっぷりな作品とは?
映画好きな飯尾和樹の、思い入れたっぷりな作品とは?撮影/山崎伸子

「江守さんと2人でご飯に行かせてもらった時、『演技ってどうやってやるんでしょうか?』と聞いたら、『いましゃべっている俺とお前との1分前の会話を、自然に再現するのが演技だ』と言われたんです。その時、なるほどなと思いました。バラエティ番組の場合は、相手の答えは知らずにやっていますが、演技はそうじゃないので。とはいえ、いまでもよくわからないというか、演技に関しては、監督がOKならそれでよしとする感じですし、俳優としての仕事は、社会見学に行かせてもらってるのと同じ感覚です」。

映画好きで知られる飯尾は、出演するテレビ番組でもしばしば“映画ネタ”で笑いを取っている。芸人としてなかなか芽が出なかった時代は、相方のやすと共に、1日中有楽町の映画館に入り浸っていたこともあったという。「月曜の映画館が特に好きで、お客さんが5、6人しかいない贅沢な空間でした。あまりに観すぎて観ていない映画がなくなってしまって(笑)。『ベイブ』を3度も観た思い出があります」。


毎年観るほど好きな映画については『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)や『ターミネーター2』(91)などを挙げるが、邦画では「男はつらいよ」シリーズが大好きだという。
「両親が寅さんのことを大好きで、盆と正月の年2回は必ず一緒に行くというのが風物詩だったんです。仕事についてはなにも主張しなかった自分ですが、事務所に入ってすぐに『男はつらいよ』ついては『エキストラの仕事があればやらせてください。報酬もなにもいらないので!』と言いました。残念ながら行けませんでしたが、出川(哲朗)さんや竹山(隆範)くんは出演しているんですよね。一度でいいから渥美清さんを生で見たかったです」と、自身が敬愛する渥美に想いを寄せた。

『映画 えんとつ町のプペル』は全国公開中
『映画 えんとつ町のプペル』は全国公開中[c]Akihiro Nishino/ “Poupelle of Chimney Town” Production Committee

取材・文/山崎伸子

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