岩田剛典と新田真剣佑の“表裏一体”バディに注目!『名も無き世界のエンドロール』の胸アツポイントとは
“青春”と“サスペンス”が結びつくクライマックス
いずれにしても本作は、2人の男の“バディもの”として捉えると、ドラマティックな友情の果てにサスペンスへと転換する瞬間に、この上ないスリルを味わうことだろう。終盤、それまで断片的に散りばめられてきたいくつもの思い出が一気に集約され、すべての伏線が回収される。時間軸を巧みに操った原作小説の良さを存分に引き出しながら、近年のサスペンス映画によく見られる伏線回収による爽快感が味わえる。
その一方で、主に回想シーンとして綴られていくキダとマコト、そしてヨッチを含めた3人の関係にフォーカスを当てれば、この物語は鮮やかで儚い青春映画だということがわかる。そしてその“青春”と“サスペンス”。2つの要素が強固に結びつくクライマックスに、これがただただ真っ直ぐな男たちの友情と、何物にも代えがたい愛情を描く物語であると気付かされることとなり、ラストシーンの岩田の視線の動きが脳裏に焼き付いて離れない。
本作が初共演となった岩田と新田の2人が魅せる深い絆の物語と、“プロポーズ作戦”の本当の意味が明らかになるラスト20分の衝撃を、是非とも劇場のスクリーンで味わってほしい。
文/久保田 和馬
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