『樹海村』撮影現場で起きた怪奇現象とは…清水崇が『ズーム』俊英監督に明かす、コロナ禍での制作秘話
「コトリバコを撮っている時に見たこともないノイズが…」(清水)
サヴェッジ「『ズーム』を撮影していた時に、撮影のリサーチを兼ねて本物の霊媒師を雇って、役者さんたちと実際に交霊会をやったんです。そしたら参加者たちに奇妙なことが起こったんですが、『樹海村』の撮影ではなにか怖い現象はありましたか?」
清水「いくつかありました(笑)。たとえばダブル主演の鳴役のオーディションを、プロデューサーたちと脚本家の保坂大輔さんも参加してリモートでやったんですよ。そしたら休憩中に保坂さんが『さっきから小鳥の鳴き声がするんですけど…』って。
でも誰も鳥なんて飼っていないし、ほかの誰にも聞こえない。すると次の休憩時には別のプロデューサーも同じく小鳥の声が聞こえるようになって…結局、2人以外には聞こえませんでした。小鳥≒コトリバコにも引っかかるし、実は映画の劇中でもとても似たシーンを脚本に書いていたので不気味でした。いまでも真相は謎のままです」
サヴェジ「Oh…!」
清水「あと撮影をしている時に、モニターがあり得ないノイズに見舞われる事が多くて、記録のスタッフが気付いたんです。『コトリバコを撮っている時だけですよね?』って。気にしすぎだよと笑っていたんですが、本当にハコを映す時だけ、見たこともないようなノイズが必ず入るんです。撮影部が探ってもまったく原因がわからないと言われて…。でもだんだんみんな慣れてきちゃって、『次、ハコのショットだからノイズ走るね。ほら〜』って(笑)」
「伝承は必ずホラーのタネになる」(サヴェッジ)
清水「日本ではまた主要都市部に緊急事態宣言が出て、ちょうど『樹海村』の公開時期と重なってしまったんです。お客さんに対してあまり無理は言えませんが、映画館は実は喚起が行き届いてるし、誰ともお喋りせずに済む。こんな時だからこそ、どうせ出かけるなら非日常を味わうために多くの人に映画館に足を運んでもらいたいと願っています。イギリスの方もロックダウンが続いていたり大変だと思いますが、いま“恐怖の村”シリーズの第3弾も考えているので、もしイギリスにも怖い村の都市伝説があれば教えてほしいですね」
サヴェッジ「僕は都市伝説が大好きなので、いろいろ知っているんですけれど、たくさんありすぎて…。後でまとめてメールを送ってもいいですか?」
清水「ありがたいです!どの国でも都市部から離れた田舎の山奥に、ほかの人を寄せ付けない習わしとか、行ったら最後帰ってこれない…など伝承があると思うので、そういう話をピックアップしてもらえれば助かります」
サヴェッジ「何百年も前から伝わる伝承は、必ずホラーのアイデアのタネになるんですよね。いまジェイソン・ブラムのプロデュースのもとで着手している作品が3本あるのですが、そのうちの1本がフィリピンに昔からある伝承を現代的なテーマに置き換えたものなんです」
清水「ジェイソンはすごく優秀なプロデューサーですよね。一度しかお会いしてないから覚えていないと思うけど、よろしくお伝えください。そして新作も楽しみにしていますよ」
サヴェッジ「ありがとうございます!お話できて光栄でした」
清水「こちらこそ、ありがとうございました。ところで、ロブの後ろのドアってさっきまで閉まっていたよね。いつ開けたの?」
サヴェッジ「(後ろを振り返って)やめてくださいよ!(苦笑)」
取材・文/久保田 和馬