二度と生きては出られない…“富士の樹海”の真の恐ろしさとは?

コラム

二度と生きては出られない…“富士の樹海”の真の恐ろしさとは?

近年再ブームの兆しが著しい“Jホラー”を代表する人気シリーズ「呪怨」の清水崇監督の最新作『樹海村』(公開中)。昨年大ヒットを記録をした『犬鳴村』に続く、“恐怖の村”シリーズ第2弾となる本作の舞台は富士の樹海。様々な都市伝説が生まれ、日本最恐の心霊スポットとの呼び声も高い富士の樹海のウワサは、オカルトファンでなくても一度は耳にしたことがあるだろう。樹海の呪いに触れる前に、その恐ろしさを紹介していきたい。

『樹海村』は、富士の樹海の奥に存在したと言われる“何者かが暮らす村”と、凶悪な呪いが封印された“コトリバコ”に触れてしまう姉妹の姿を描く物語。富士の樹海にほど近い場所に暮らす天沢家の長女、鳴(山口まゆ)と、次女の響(山田杏奈)は、ある時幼なじみの家の軒下で不可解な箱を見つける。それを境に、2人の周囲では奇妙な現象が相次ぐようになり、やがて魔の力に吸い寄せられるように樹海へといざなわれていくことに。

最強の心霊スポット“富士の樹海”とは?

【写真を見る】二度と出ることができない“緑の魔境”…樹海には一体なにがあるのか?
【写真を見る】二度と出ることができない“緑の魔境”…樹海には一体なにがあるのか?[c]2021「樹海村」製作委員会

日本の象徴である富士山の北西側、山梨県南都留郡富士河口湖町鳴沢に位置し、“富士五湖”の一つである本栖湖の東側一帯に広がるおよそ3000ヘクタールの広大な“緑の魔境”青木ヶ原。その誕生のきっかけは平安時代の初期、864年に発生した貞観大噴火。富士山から流れ出た膨大な量の溶岩が辺り一体の森林を焼き尽くし、かつてその場所に存在していた剗海という湖の大部分は埋没。近隣にあった多くの家屋も奪われていった。

それから1000年以上の時間をかけ、その場所にツガやヒノキなどの原始林が形成され生まれた青木ヶ原は、溶岩の上にできた地層のため、地中には磁鉄鉱が多く含まれており、方位磁針に狂いが生じることも少なくない。


また、周囲がすべて深い木々に囲まれているため方向感覚も掴みづらく、溶岩でできた大小様々な凹凸、70以上の溶岩洞窟も存在しており、設けられている遊歩道のコースを一度外れたら最後、二度と出ることができない場所として語り継がれている。

樹海に伝わる様々なウワサとは…

樹海で監視員を務める出口。彼は一体なにを知っているのか…
樹海で監視員を務める出口。彼は一体なにを知っているのか…[c]2021「樹海村」製作委員会

樹海誕生にまつわる根の深さや、その“未踏地”としてのイメージも相まって、様々な伝承が生まれることになったが、正確にそれがいつからなのかは定かではない。1960年に刊行され、その後幾度も映像化された松本清張の小説「波の塔」の劇中で、ヒロインが死を選ぶ場所として登場したことがきっかけとなり、“自殺の名所”としてのイメージが定着。その後も多くの映画やドラマなどに登場し、国境を越えてマシュー・マコノヒー主演、渡辺謙共演の『追憶の森』(15)が製作されたことも。

1990年代にはある宗教団体の施設が近くにあったことから、よりミステリアスかつスピリチュアルな地として注目度を高めていく。もっとも、古くから富士山そのものを神と見立て、信仰・崇拝する富士信仰は成立しており、現在も複数の宗教施設が周辺に存在。なかには“謎の宗教団体”の施設も存在しているといわれ、興味本位で樹海を訪れた人がそこで不思議な体験をしたという話も後を絶たない。



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