第89回アカデミー賞作品賞は『ラ・ラ・ランド』ではなく『ムーンライト』。前代未聞のミスで大混乱!
現地時間2月26日(日本時間27日)に、ハリウッドのドルビー・シアターで開催された第89回アカデミー賞授賞式。作品賞を受賞したのはバリー・ジェンキンス監督作『ムーンライト』(4月28日公開)だった。プレゼンターのフェイ・ダナウェイが中身の違う封筒を渡され、作品賞を『ラ・ラ・ランド』と読み間違えるという前代未聞の大失態があり、会場は騒然となった。『ムーンライト』はマハーシャラ・アリの助演男優賞、脚色賞を合わせての3冠となった。
前哨戦レースのトップランナーだった『ラ・ラ・ランド』(公開中)は、主演女優賞、監督賞、美術賞、撮影賞、作曲賞、主題歌賞の最多6部門を受賞した。改めて作品賞の受賞を知らされた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督は「これまでいっしょに歩んできた『ラ・ラ・ランド』のみなさんにも感謝します」とフォローした。
『ハクソーリッジ』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』はそれぞれ2部門での受賞に留まった。
まさに2016年の“白すぎるオスカー”を払拭する受賞結果となった第89回のアカデミー賞授賞式。トランプ政権に揺れるアメリカだが、司会を務めたジミー・キンメルは最初に「一人ひとりがポジティブに対話をしていけばアメリカという国をもっと偉大にできる」と提案。授賞式の最中にトランプ大統領のTwitterにツイートし、会場の笑いを誘った。
また、今年の映画は画期的だと語り「黒人がNASAを救って、白人がジャズを救った。これが進化となりました」と、NASAのマーキュリー計画に貢献した3人の黒人女性の活躍を描く『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』とジャズをフィーチャーした『ラ・ラ・ランド』を称えたのも印象的だった。
『ラ・ラ・ランド』は24日より日本でも公開され、この週末の日本興行ランキングでも堂々1位に輝いている。【Movie Walker】
■第89回アカデミー賞受賞作一覧
【作品賞】『ムーンライト』
【監督賞】デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』
【主演男優賞】ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
【主演女優賞】エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』
【助演男優賞】マハーシャラ・アリ『ムーンライト』
【助演女優賞】ビオラ・デイヴィス『フェンス』
【脚本賞】ケネス・ロナーガン『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
【脚色賞】バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー『ムーンライト』
【撮影賞】リヌス・サンドグレン『ラ・ラ・ランド』
【編集賞】ジョン・ギルバード『ハクソー・リッジ』
【美術賞】『ラ・ラ・ランド』
【衣装デザイン賞】『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』コリーン・アトウッド
【メイクアップ&ヘアスタイリング賞】『スーサイド・スクワッド』
【視覚効果賞】『ジャングル・ブック』
【録音賞】『ハクソー・リッジ』
【音響編集賞】『メッセージ』シルヴァン・ベルマール
【作曲賞】『ラ・ラ・ランド』ジャスティン・ハーウィッツ
【主題歌賞】“City of Stars” 『ラ・ラ・ランド』
【長編アニメーション賞】『ズートピア』
【外国語映画賞】『セールスマン』(イラン=フランス合作)
【長編ドキュメンタリー賞】『O・J:メイド・イン・アメリカ(原題)』
【短編ドキュメンタリー賞】『ホワイト・ヘルメット-シリアの民間防衛隊-』
【短編実写映画賞】『合唱』
【短編アニメーション賞】『ひな鳥の冒険』