第89回アカデミー賞、まさかの作品賞間違いで大炎上!
現地時間の2月26日、第89回アカデミー賞授賞式が開催された。受賞結果はほぼ順当で、11時半の終了予定を大幅にオーバーした東海岸時間の深夜、作品賞に注目が集まるなか、まさかの作品賞間違いのハプニングが発生。「史上最悪のオスカー」とツイッターが大炎上する騒ぎになっている。
『俺たちに明日はない』(67)のベテラン俳優フェイ・ダナウェイ(76)とウォーレン・ベイティ(79)が登壇し、スタンディングオベーションを受けた後、赤い封筒を開けたもののなかなか作品賞を読み上げなかったウォーレン。後から思えば、「作品賞ね?」と少々いぶかしそうな顔をしたのには理由があったようだが、フェイに紙を見せると、フェイはちらっと見ただけで、『ラ・ラ・ランド』と発表した。
『ムーンライト』とのせめぎあいが予想されていただけに、歓喜に満ち溢れたスタッフキャストが揃って登壇し、プロデューサーが一人ずつスピーチ。しかし2人目のスピーチの途中で舞台裏からマイクを付けたスタッフが駆け寄り、封筒を確認する様子や舞台上が騒然とする様子が映像から見て取れた。
そして3人目のプロデューサーのスピーチ中に、ウォーレンが封筒を持って何かを言おうとして口ごもっていると、最初にスピーチしたプロデューサーがイラついた様子でマイクの前に立ち、「作品賞は『ムーンライト』だよ。ジョークじゃないし、面白がらせようとしているのではなくて本当なんだ。君たちを誇りに思う」と、観客席の『ムーンライト』のスタッフらに問いかけた。
その後、ウォーレンが「『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンと書かれた紙を渡された」と、主演女優賞の結果が書かれた封筒を渡されたと釈明。司会者のジミー・キンメルは、「なんてことだ。個人的にはスティーブ・ハーベイを責めたいね」とジョークをかましたが、笑い事ではなかった。
スティーブ・ハーベイとは、2015年にラスベガスで開催されたミス・ユニバースの世界大会で、優勝者を間違えて発表するハプニングがあった際の司会者だ。優勝者がフィリピンだったにもかかわらず、コロンビアと読み上げて大ひんしゅくを買って大炎上騒ぎとなったスティーブは、「人間、間違いも犯す」としながらも涙ながらに謝罪。しかし後に、「進行カードが紛らわしい」と同情を買った。
これを受け、「#Oscar2017」のハッシュタグ付きで、スティーブの写真や、2人のミスユニバース候補の写真の上にそれぞれの作品賞を書き込んだインターネット・ミームや動画を掲載するとともに、「ミスユニバースの再来」「一体何が起こったの?」「最悪の事態」「ジョークじゃすまない」と非難のツイート。
そして米トランプ大統領が米テレビCNNニュースに対して、「フェイク(嘘の)ニュースばかり流す」と目の敵にしていることを揶揄し、CNNのロゴで、「第89回アカデミー賞、作品賞は『ラ・ラ・ランド』」などと書かれたインターネット・ミーム、ジミー・キンメルが終始トランプ大統領を揶揄していたことからトランプ支持者からは、「トランプ大統領の呪いだ!」、反トランプ支持者からは、「こういう間違いは、11月9日(大統領選挙の結果発表の日)に起きてくれればよかったのに」といったツイートも飛び交っている。
疑惑は、主演女優賞のプレゼンターを務めたレオナルド・ディカプリオや、受賞者のエマ・ストーンにまで向けられるハメに。「レオの陰謀?」「エマが封筒をどこかにやってしまって、間違って手渡されたのでは?」などといったツイートも飛び交ったが、エマは受賞のインタビューで、「誰かを責めるとかではありませんが、私は自分の名前が書かれた封筒を持っていたので、それが紛れてしまったということはありません」と、無実を訴えた。
さらに非難は、プレゼンターにまで派生。「ずっと思っていたが、往年の俳優を使いたいのはわかるが、明らかにボケが始まっている人物を使うべきではない」「若者なら、紙に『主演女優賞』と書かれていたら読み上げないだろう」「老眼鏡なしでは詳細は読めないのだろうし、臨機応変な対応が取れない高齢者を使うべきではない」といった厳しい声も寄せられている。【NY在住/JUNKO】