南沙良、開眼!「アクションにも挑戦してみたい!でも運動は苦手…」

インタビュー

南沙良、開眼!「アクションにも挑戦してみたい!でも運動は苦手…」

『怒り』に『悪人』、はたまた『横道世之介』と…映画化された小説は数知れず。時代を代表する小説家のひとりである吉田修一の傑作サスペンス『太陽は動かない』が、このほど見応えあるノンストップ・エンターテインメント・ムービーへと昇華、3月5日(金)より公開となる。『海猿』や『MOZU』シリーズなどを手がけてきた羽住英一郎監督のもと、藤原竜也と竹内涼真をメインキャストに迎えて撮り上げられた本作で、藤原演じる鷹野一彦の高校時代を描いたパートは清々しさとみずみずしさに満ち、本筋とは異なる印象を残す。その過去のエピソードで透明感あふれるクラスメイト・菊池詩織を演じているのが、南沙良だ。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)での爪痕の残し方とは正反対と言える存在感を放つ本作への取り組み方、そして今後のことなどを、つまびらかにする。

【写真を見る】南が演じるのは、主人公・鷹野の高校時代の同級生・菊池詩織
【写真を見る】南が演じるのは、主人公・鷹野の高校時代の同級生・菊池詩織[c]吉田修一/幻冬舎 [c]2020「太陽は動かない」製作委員会

「穏やかで楽しい現場だったので、リラックスしすぎたかも(笑)」

──『太陽は動かない』を撮影していたのって、結構前のことになるんですよね。

「そうなんですよ。一昨年(2019年)の夏だったので…ちょっと遠い記憶になりつつあります(笑)」

──スクリーン越しに久しぶりに再会した「菊池詩織」という人は、どんなふうに映りましたか?

「今回の取材に備えて2日前に改めて見直したんですけど、家のテレビでDVD(再生)だったのでスクリーン越しではなかったんです。でも、1年半前の自分は…今の私よりも幼かったですね。当時は高校1年生でした」

──南さんが演じた詩織の透明感と、島のロケーションがすごく印象的で。

「ありがとうございます(笑)。ロケ地は三重県の答志島というところで、1週間くらい滞在していたんですけど、島のどこへ行っても景色がきれいでした。でも、鷹野(一彦=藤原竜也演じる主人公。高校時代のキャストは日向亘)くんと2人で滝を見るシーンはミスト(※滝のしぶき)がすごくて、夏なのにとても寒かったことが、自分の中では印象的です」

──本人たちはめちゃくちゃ寒かったとのことですが、画としてはとても美しく、まさしく青春のワンシーンに映りました。

「原作の小説も読んでいたんですけど、島の描写がすごくみずみずしいんです。で、実際に答志島へ行ってみたら、頭の中で思い描いていた景色がそのまま目の前に広がっていて…すごく感動しました」

穏やかな現場でリラックスしながら撮影に臨んだという
穏やかな現場でリラックスしながら撮影に臨んだという撮影/河内彩

──そんな自然豊かな島の道を、鷹野がスクーターの後ろに詩織を乗せて自宅マンションまで送り届けて、2人がぎこちないやりとりを交わす感じも何かいいんですよねぇ。

「今まで演じてきた役とくらべると、詩織はすごく特殊な事情を抱えている女の子じゃなかったんですけど、そのぶん脚本を読んでも、自分の中でキャラクターがなかなか定まらなかったところがあって。でも、(羽住英一郎)監督が『ふだんのままでいいよ』とおっしゃってくださったので、変に作り込むことなくお芝居ができました」

──「MOZU」シリーズで羽住監督と組んだ西島秀俊さんいわく「羽住組の現場は、いい意味で日本一クレイジー」だそうですが、南さんはどう感じられました?

「いえ、とても穏やかな現場でした。むしろ、すごく穏やかで楽しかったので、リラックスしすぎちゃったかなって…(笑)」

●南沙良 プロフィール
2002年6月11日生まれ、東京都出身。第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞し、同誌専属モデルを務める。
映画『幼な子われらに生まれ』(17)は映画デビュー作ながら、報知映画賞、ブルーリボン賞・新人賞にノミネート。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)で映画初主演。第43回報知映画賞・新人賞、第61回ブルーリボン賞・新人賞、第33回高崎映画祭・最優秀新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞し、その演技力が高く評価される。その他の映画出演作に、『21世紀の女の子』内『愛はどこにも消えない』(19)、『居眠り磐音』(19)、『無限ファンデーション』(19)、『もみの家』(20)などがある。4月2日公開の映画『ゾッキ』(21)が待機中。
TVドラマ出演は『ココア』(19/フジテレビ系)、『ピンぼけの家族』(20/NHK BSプレミアム)、『これっきりサマー』(20/NHK)、『うつ病九段』(NHK BSプレミアム)、『六畳間のピアノマン』(NHK)など。三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22年放送)への出演も決まっている。
レベッカ「恋に堕ちたら」、Vaundy「融解 sink」のMV、sumika「エンドロール」のショートフィルムにも出演。江崎グリコ「ポッキー」イメージキャラクター。
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