藤原竜也&竹内涼真が明かす、過酷な撮影を乗り越えた絆。役者人生の“ピンチ”も告白!

インタビュー

藤原竜也&竹内涼真が明かす、過酷な撮影を乗り越えた絆。役者人生の“ピンチ”も告白!

「深作欣二監督の現場を経験できたことは、ものすごくうれしいこと」(藤原)

極秘情報をめぐって、各国のエージェントと争奪戦を繰り広げるなかで、鷹野と田岡は数々のピンチに遭遇する。藤原と竹内にとって、「役者人生においてピンチと感じた経験」について聞いてみると、藤原は「本作は、自分史上でもかつてないほど過酷な経験をしたと思います」としみじみ。

「羽住監督は徹底的にリアルを求める方。緊張感が極限に達した画を求めているので、身の危険を感じて、『今日の撮影は行かないでおこう』と何度か思うほどでした(笑)」と冗談交じりに話し、「僕にとっては、深作欣二監督以来の“映画に革命を起こす監督”です」と微笑む。『バトル・ロワイアル』(00)で深作監督のもと熱演を見せた藤原だが、「深作監督の現場は、まだ京都の太秦の面影が残っていた現場で。炊きだしをやってくれたり、スタッフみんなで宴会をしたり、僕らがドキュメンタリーや本で読んでいたような光景を目の当たりにすることができました。深作監督にはたくさんのことを教えていただき、そういった現場を経験できたことは僕にとって、ものすごくうれしいこと。そうやってたくさんの出会いに支えられています」と名監督との日々に想いを馳せる。

【写真を見る】「たくさんの出会いに支えられている」と感謝が溢れだす藤原竜也と、竹内涼真を撮り下ろし!
【写真を見る】「たくさんの出会いに支えられている」と感謝が溢れだす藤原竜也と、竹内涼真を撮り下ろし!撮影/興梠真穂

一方、役者業スタートから8年目を迎えた竹内は「まだピンチと言える経験は少ないかもしれません」と打ち明ける。「僕はもともとサッカーをやっていて、プロを目指していました。そこから20歳で俳優の道に入ったので、僕の同期がサッカー選手になっているのを見て、ものすごく焦っている部分もあって。役者業をスタートして5、6年は、悩んだり立ち止まったりするよりも、とにかく焦りと共に、一生懸命突っ走っていたと思います」と語り、「そうするうちに、共演者の方やスタッフさんと一緒にチームになって作品をつくっていくということが、どんどん楽しくなっていって。本作でも羽住監督の望むレベルまで、みんなで食らいついていこうとしていました。そういう時間って、本当にステキだなと感じています」と、本作では役者業の醍醐味をたっぷりと味わったという。


がむしゃらに走ってきたという竹内涼真
がむしゃらに走ってきたという竹内涼真撮影/興梠真穂

藤原は「自分の撮影はすべて終わっていたのに、クランクアップの日には涼真が来てくれたんだよね」と回顧し、竹内も「竜也さんがオールアップした瞬間、すべて終わったんだなと、なんだか感動しました。真夏で、すごく熱い日でしたね!」と特別な気持ちになった様子。藤原も「暑かった!暑さもそうだし、半年間、涼真とはいろいろなことを一緒に乗り越えた。そんな関係になれました」と感慨深け。そのバディの熱き絆は、映画に確実に刻み込まれている。

「軸をしっかりと持って進んでいきたい」(竹内)

「一日を必死に生きる」。本作にはそんなテーマが込められている。「今年で39歳になる」という藤原は、コロナ禍において人生観を見つめ直すこともあったそう。

田岡はブレない鷹野に反発しつつも尊敬もしている
田岡はブレない鷹野に反発しつつも尊敬もしている[c]吉田修一/幻冬舎 [c]2020 映画「太陽は動かない」製作委員会

「『自分の人生もそろそろ半分くらいまで来たのかな』と考えたり、大切にすべきものは仕事なのか、家族なのか、はたまた自分なのか。また、どんな選択をするのが、自分にとってベストなのかを気にするようになって。いつの間にか、そういう年齢になったんだなと思っています。子どもが産まれた時も、そういったことを考えるきっかけになったような気がしています。それ以前は『どうなってもいいだろう』と思っていたものが、いまでは135歳くらいまで生きたい気分になっていますから(笑)」と目を細める。

コロナ禍で心境に変化があったのは、竹内も同じだ。「大変な世の中になり、だからこそ、『自分はなにをやりたいのか、目的はなんなのか』という軸をしっかりと持って、進んでいきたいなと思っています。自分のなかで『いま、どうすればいいのか』と優先順位をつけながら、幸せな道を探していきたいです」と力強く語っていた。

取材・文/成田おり枝

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