尾上松也と百田夏菜子、『すくってごらん』で目指したのは「どこにもないエンターテインメント」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
尾上松也と百田夏菜子、『すくってごらん』で目指したのは「どこにもないエンターテインメント」

インタビュー

尾上松也と百田夏菜子、『すくってごらん』で目指したのは「どこにもないエンターテインメント」

歌舞伎俳優の尾上松也が映画初主演を果たし、ももいろクローバーZのリーダー、百田夏菜子が初のヒロインを務めた映画『すくってごらん』が3月12日(金)より公開される。メガホンをとったのは、『ボクは坊さん。』(15)の真壁幸紀監督。松也は「ほかのどこにもないエンターテインメントを作りたい」というスタッフ陣の気概を感じ、真壁組に参加したという。「様々なチャレンジがあった」という舞台裏について、2人に話を聞いた。

松也が演じたのは、プライドが高くネガティブな銀行マン、香芝誠役。彼はある失言をしたことで、田舎町に左遷されてしまうが、そこで着物姿の美女、生駒吉乃と出会う。彼女に誘われ、足を踏み入れた店は、金魚すくいの店「紅燈屋」だった。香芝は吉乃から金魚すくいのコツを教わったことをきっかけに街の人々と交流し、成長していく。

『すくってごらん』は3月12日(金)より全国公開
『すくってごらん』は3月12日(金)より全国公開[c]2020映画「すくってごらん」製作委員会 [c]大谷紀子/講談社

本作で重要なモチーフとなるのが金魚すくいだが、和のテイストを織り込みつつ、アートアクアリウムのような映像美で独自の世界観を表現し、松也、百田、ミュージカルでも活躍する柿澤勇人らによる歌唱シーンを、ファンタスティックに彩っていく。真壁組が目指したのはいわゆる既存のミュージカルとは一線を画する“新感覚ポップ・エンターテインメント”だった。

松也は、最初に脚本を読んだ段階で「原作はありましたが、一体どんな映画になるのか、想像できなかったです」と戸惑いを覚えたとか。その後、真壁監督の音楽と映像を大胆に融合させた本作の構想を聞いて、いろいろなことが腑に落ちたようだ。
「それで真壁監督から、今回の作品にどう取り組んでいくのかというお話を伺った時、非常に驚き、興味をそそられました。正直、一か八かの勝負をしたいのか?とも思いましたが、だからこそ唯一無二の作品ができるのではないかととらえ、僕自身も挑戦したいと思いました」。

真壁監督の本作の構想を聞き、興味を引かれたという尾上松也
真壁監督の本作の構想を聞き、興味を引かれたという尾上松也撮影/河内彩

百田も「私も台本だけでは想像しきれない部分が多くて、監督のお話を聞きながら、どんな映画になるんだろうとワクワクしました。私が演じる吉乃という女の子はかなりミステリアスで、内に秘めた部分がすごく多く、仕草などはすごく女性らしい印象を受けたので、そういう部分は気をつけて演じました」

「百田さんはトップアイドルなのに、非常にフランクで話しやすい方でした」(松也)

金魚すくいの店を営む生駒吉乃(百田夏菜子)と出会い、一目惚れしてしまう香芝
金魚すくいの店を営む生駒吉乃(百田夏菜子)と出会い、一目惚れしてしまう香芝[c]2020映画「すくってごらん」製作委員会 [c]大谷紀子/講談社

松也と百田は初共演となったが、最初はお互いにかなり緊張したそうだ。
松也は「たまたま僕がよく行くお店の方がモノノフ(ももクロのファン) の方で、お店のモニターでは、100%ももクロの映像が流れていましたし、ももクロの話をたくさん聞いていましたので、今回百田さんとご一緒できると聞いて驚きました。百田さんは歌って踊るトップアイドルというイメージでしたが、非常にフランクで話しやすい方だったので助かりました。百田さんのおかげで、現場の雰囲気もより明るくなったと思います」と百田に感謝する。

百田も松也が出演していたテレビドラマ「半沢直樹」シリーズや、歌舞伎の舞台を観ていたので「テレビのなかの人、舞台の上にいる人」と、松也を遠い存在だと感じていた。
「松也さんが『IMY』(山崎育三郎、城田優とのプロジェクト)というグループで活動されていることを知っていたので、歌を歌われるという印象もありましたが、作品によってどんどんイメージが変わっていく方だったので、ご一緒できるのがすごく楽しみでした。現場に入ると、松也さんがみんなを引っ張っていってくださり、アットホームな雰囲気で撮影できたなと思います」。

松也との共演を楽しみにしていたという百田夏菜子
松也との共演を楽しみにしていたという百田夏菜子撮影/河内彩

すると松也が「そうですか。石田さん」と、百田の名前をふざけて間違えると、百田が「百田です!」と合いの手を入れる。松也がすかさず「え?百田さんなの。ごめんなさい、間違えてました。新田さんだと思ってた」と悪ふざけを続けると、百田が「このやりとりを延々とやってました」と笑いながら言う。松也が「僕がその日の気分によって名前を変えて呼び、百田さんがそれにツッコむんです」と2人で笑い合う姿に、現場の様子をうかがい知ることができた。

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