『奥様は、取り扱い注意』綾瀬はるかと西島秀俊が語る、兄妹役と夫婦役で得た深い絆とは?
綾瀬はるかと西島秀俊共演の人気ドラマを映画化した『奥様は、取り扱い注意』が公開中だ。2人が演じたのは、元特殊工作員の菜美と公安エリートの勇輝という異色の夫婦役。大河ドラマ「八重の桜」(13)での兄妹役、「奥様は、取り扱い注意」シリーズでの夫婦役を通して深い信頼関係を築いた2人に、映画の見どころや激しいアクションの舞台裏について話を聞いた。
2017年に放送されたドラマの最終回では、勇輝(西島)が菜美(綾瀬)に向けて銃を撃つ!?という衝撃的な結末を迎え、放映後のSNSでは様々な憶測が飛び交った。
綾瀬は「人によって意見が違い、2人とも死んだのかとか、どちらかが撃たれて逃げたのか、違う人を殺したんじゃないかなど、いろいろな解釈が出ていましたが、映画では、あのあとでなにが起こったのかが、種明かしされます」と解説。
西島も「当時の反響はすごかったです。一体どうなってんだ!?と、怒られたこともあります(苦笑)。僕自身は、勇輝が菜美に銃を奪われて死んだと思っていました。なんて冗談ですが、そういうふうに考えた人もいたんですよね」と言うと、綾瀬も「いました!」と相づちを打ち「いずれにしても、めちゃくちゃ気になるという人が多かったです」と反響の大きさを口にした。
映画の時間軸はその半年後で、どうやら菜美は記憶喪失となったよう。2人は桜井久実と裕司と名乗り、珠海市という海辺の町に移住して穏やかな生活を送っていた。ところが、町が打ちだす新エネルギー源「メタンハイドレード」を巡り、開発反対派と市長率いる推進派の争いが勃発。そこにはロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいた!
「まさかの記憶喪失か!と思いました」(綾瀬)
最初に脚本を読んだ時、綾瀬は「まさかの記憶喪失か!と」と驚いたそうだが、西島も「出だしからいろんな発見や驚きがありました。また、スケールの大きい作品になっていたので、撮影が大変そうだなとも思いました」と身構えたとか。
元特殊工作員という経歴を忘れ、普通の主婦となった久実こと菜美を可憐に演じた綾瀬だが、その胸中は複雑だったよう。
「元々の菜美は快活で少し勝ち気で真っ直ぐな女性です。でも、記憶を失っている時は、自分が何者かわからず、ずっともやもやした海の底にいる感じだったので、自分でも一体誰を演じているのか、よくわからなかったです。自分らしさや、やりたいこともわかっていないから、勇輝のため、海辺にカフェを作るという夢を抱いても、それは菜美本来の姿ではないし。すごく正義感が強くて、生き生きとした通常の菜美のほうが、輝いているのかなと思いました」。
西島も、綾瀬について「単純にキャラクターとして比較していたわけではないですけど、すごく繊細に悩みながら演じているなと思いました」とねぎらう。
「勇輝は悩んでいる菜美を見守りながら生活していますが、もしも彼女の記憶が戻れば、2人は別れなくてはいけなくなる。勇輝としては、記憶が戻ってほしくないけど、それでは本来の菜美ではないということで、彼自身も葛藤していました」。