神々が集う出雲が舞台の映画『神在月のこども』…miwaが手掛けた主題歌を通じて実感した“つながり”の大切さ
主題歌「神無-KANNA-」に込めたmiwaのカンナに寄り添う気持ち
人や地域とのつながりや縁をテーマにした『神在月のこども』だが、制作に携わるスタッフたちもその大切さを強く実感していた。本作の企画発足から携わってきたプロデューサーの三島鉄兵は、「ロケーション監督」としても東京ロケーションボックスから、アニメーションで描くロケーションの許認可の取り方や裏取りなどを教わってきた。
2020年10月31日には、第33回東京国際映画祭の日比谷会場で行われたオープニングスペシャルとして、本作の主題歌をmiwaが生歌唱するイベントを開催。ここでの出来事から「作品が持つ可能性の大きさを確かめることができた」と三島プロデューサーは語っている。
「本作のストーリーを語るうえで欠かせないロケーションとして、『出雲』を印象付けてきましたが、劇中で描かれるロケーションは点であって線ではありませんでした。しかし、東京国際映画祭でのスタートアップイベントを、東京ロケーションボックスと連携したことで、一気にこの作品が持つ幅や奥行きが広がり、表現領域が目に見えて拡張されていきました」
miwaが描き下ろした主題歌「神無-KANNA-」は、このイベントで初披露された。「この主題歌を書くにあたって、カンナの気持ちを考えながら、約1年を通してカンナの気持ちに寄り添えるように想いを込めてきました。アニメーションに携わっている、すべての方に納得してもらえるようなカンナの気持ちを代弁する主題歌にしたいなと思いました」というmiwaの言葉通り、この曲は、“東京”から“出雲”へ向かって駆けるカンナの背中を押すだけでなく、初めてのアニメーション制作に挑戦している三島プロデューサーをはじめとしたスタッフたちへのエールにも聞こえる楽曲となっている。
miwaが東京国際映画祭のステージで歌う光景を見て、「目頭が自然と熱くなった」と話す三島プロデューサーは、「歌唱を終えたmiwaさんがこの歌に込めた想いを問われている最中、涙を流しながら『カンナの気持ちに寄り添えるように…』と言葉を振り絞り、本作への気持ちを露わにしてくれたことに驚きました。その瞬間、この作品の根っこにある“ご縁”というものが、そのシーンに集約されていると感じました」と当時を振り返る。
様式が変わっても変わらない、相手を思いやり、尊重する気持ち
いまだ世界中で猛威をふるい続ける新型コロナウイルス。全世界で当たり前だった日常や習慣が奪われ、新たな生活様式を見いだそうと誰もが我慢を重ねながら、知恵を絞って日々を生きている。例に漏れず、本作の制作現場も感染拡大に最大限の注意を配りながらの毎日だったという。
「アフレコ現場にしても、必要最低限のスタッフしか部屋には入れず、現場にいながらも人と人との間隔を空けて、それぞれがリモートでキャラクターに宿す音を聞きました。これまでにはあり得なかった光景だと思います。打合せ一つにしたって同じです。主要スタッフであっても、リアルに対面式で言葉を交わす機会は、この1年間、本当に数えるほどしかありませんでした。緊急事態宣言発令中は、さらに身動きがとりづらく、急遽中止や延期となったイベントや都府県を跨ぐ出張は十指に余ります」と、その苦悩や葛藤を明かした。
つながりを描く作品ながら、面と向かってのコミュニケーションや人との距離感を奪われてしまったことは、相当つらい時間だったことが容易に想像できる。しかし、その状況下でもmiwaの存在が、スタッフたちの大きな支えになっていたと三島プロデューサーは語っている。
「miwaさんからいただいた言葉や歌詞からは、例え、コミュニケーションの取り方がこれまでとは異なる“リモート”が主流に変わろうとも、本質を突き、相手を慮る思いやりの心を思いださせてくれました。我々の企画にある根っこの想いを、ずっと尊重してくれていることに、私たちは大きな勇気をもらいました。まさに、本物の“ご縁”を感じた瞬間であり、本当に救われた出来事の一つでもありました」
3月20日に公開となった「神無-KANNA-」にのせた新予告映像を見ると、多くの困難や喜びを経験しながら制作が進められてきたことが伝わってくる。人とのつながりが希薄になりがちな現代社会。この秋、様々な“縁”で紡がれてきた『神在月のこども』を観て、改めてその大切さを感じ取ってほしい。
文/サンクレイオ翼
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