“第2のティモシー・シャラメ”が語る、『君の名前で僕を呼んで』監督最新作で見つけた気持ち「絆創膏を剥がすように、自分を発見していく」
ティモシー・シャラメが主演を務めた『君の名前で僕を呼んで』(17)や、伝説のホラー映画をリメイクした『サスペリア』(18)で知られるルカ・グァダニーノ監督が初めてテレビドラマに挑んだ「僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE」(Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA&CLASSICS-」にて配信中)。いよいよ本日より最終話が配信開始となったことを記念し、主人公のフレイザー役を演じたジャック・ディラン・グレーザーとケイトリン役のジョーダン・クリスティン・シモンに、撮影現場の思い出を振り返ってもらった。
グァダニーノ監督が脚本と製作総指揮も兼務し、ドラマシリーズでありながら開催中止となってしまった2020年のカンヌ国際映画祭で監督週間にも選出された本作は、14歳の少年フレイザーを通してアイデンティティの探求やジェンダーなど、様々なテーマを描いていく青春ドラマ。軍人である母親のサラと、その妻のマギーに連れられてニューヨークからイタリアにやってきたフレイザー。新しい環境に馴染もうとせずにいた彼は、隣に住む同年代のケイトリンと出会い友情を育んでいくことに。
「役が決まった時には、マクドナルドで思わず叫んでしまいました(笑)」(シモン)
世界中で大ヒットを記録した「IT/イット」シリーズで“ルーザーズクラブ”のひとり、エディ役を演じてブレイクを果たし、DCコミックス原作の『シャザム!』(18)では主人公の親友フレディ役を好演したグレイザー。本作での好演で“第2のティモシー・シャラメ”との呼び声も高い彼は、「正直自分が主演を務めるとは思っておらず、参加できるだけですごく光栄でした」と、出演が決まった時の心境を語る。
“自分が本当は何者なのか”を模索するフレイザーという役柄について「すごくリアルな人間で、演じていて共感する部分がたくさんあった」と振り返りながら、「フレイザーを演じるという体験は、自分の俳優人生で一番大きな挑戦だったし、一番がんばらなくてはいけないことでもあった。おかげで役者として成長できたと思うし、本当に多くのことを学べました」と手応えをのぞかせた。
一方、これが本格的な演技初挑戦でありながら、インディペンデント・スピリット賞ではドラマシリーズ部門の女優賞にノミネートされたシモン。「まさかHBO作品に出られるなんて思ってもみなくて、役が決まった時にはマクドナルドのドライブスルーで思わず叫んでしまいました(笑)。とにかくワクワクして、どのくらい大変な仕事が待っているかは正直わかっていませんでした」と明かす。
シモンが演じたケイトリンは、父親から息子のように扱われていくなかでジェンダー・アイデンティティに関する自問を重ねていく役どころ。「自分が経験したことがないという点では難しい役ではあったけれど、ケイトリンが学んでいくのと同時進行で学び、自分自身も知っていくような作業だったので、あまり難しさを感じることはなかった」と振り返り、「ルカは本当に懐が深い人で、新しいことを試そうというインスピレーションをたくさんもらいました。最終的にはなんだって試せるぐらいオープンになれて、本当に気持ちよく撮影することができました」と語った。