HBO&HBO Maxオリジナル作品を見放題で日本独占配信!U-NEXTのCOOが語るU-NEXTの未来と映画への想い
「若い世代の方を含め、もっと映画を観てもらえるような工夫を」
HBO Maxとの契約は映画ファン、ドラマファンにとって大ニュースだが、最近、映画ファン界隈で話題に上っているのが、シネフィル垂涎のクラシックやマイナーなインディーズ作品を積極的に取り上げて配信するラインナップの充実っぷり。調達部門の担当者は洋画邦画を合わせても10人程度だというが、「すぐにでも映画雑誌のお手伝いができんじゃないかというくらいの映画好きが集まっています!」と本多氏は太鼓判と押す。
「当社としては“映画”をメインにプッシュしていきたいと思っています。このコロナ禍の中で『映画なんか観ていていいのか』という空気もあったと思うのですが、当社はそれに対して『映画なんか、観てる場合だ。』というテーゼをCMで打ち出しました。映画興行が元気じゃないと、やっぱり配信している映画もヒットしないですし、映画の価値が特別だからこそお客さんには映画館に行ってもらいたいんです。そのためにU-NEXTのポイントが映画館で使えますという提携も行っているんですよ」
とはいえU-NEXTに限らず、配信サービスにアニメをきっかけに加入する層が多いのも事実としてある。
「当社もアニメからというお客様は非常に多いです。でも、そういう方にもシュッと映画の世界にも入ってきてもらえるようにしたいんです。コレは本当にカッコつけたいわけではないんですけど、私自身、エンドロールが出ると映画が終わってしまうことがあまりにも寂しすぎて、一時期映画が観られなくなったくらい(笑)、映画が起こす奇跡みたいなものを日々感じているんです。映画って、たった一人の方が喜んでくださるだけで、その方の人生が変わることもある。だからこそ、ある作品を観たいと思った時に「U-NEXTにはあります!」という状態にしておきたいというのはあります。物理的なスペースの制限があるレンタル店舗と違って、棚を無限大に増やせるのが配信サービスの強みですから」
実際、U-NEXTでは超マニアックな「トロマ特集」や「未体験ゾーンの映画たち」や映画祭と連携するなど、様々な企画で映画に取り組んでいる。
「担当者の想いが強いんですよ。うちの映画部の映画愛を今度ぜひ特集してほしいくらいです(笑)。当社には20代、30代のスタッフも多いのですが、昔のように手の届きやすいところに映画がないんじゃないかなと思います。昔はテレビでも毎日のように映画枠がありましたが、今では日常に映画があるという環境が欠如している世代がいる。そういった若い世代の方たちを含めて、もっと映画を観ていただけるようなアプローチをしていきたいと思っています」
一企業の枠を越えて、映画の啓蒙という使命に燃えるU-NEXT。映画業界全体が苦境に立たされ、理想がまかり通る世の中ではないからこそ、蛮勇ともいえる熱い“映画推し”の今後を注視していきたい。
取材・文/村山章