『ノマドランド』でアカデミー賞作品賞は計5作品!サーチライト・ピクチャーズ会長が、6月末に退任へ
サーチライト・ピクチャーズを長年率いてきたスティーブ・ギルーラとナンシー・アトリーの会長退任が発表された。現在共同会長を務める2人は、6月末にディズニー傘下のサーチライト・ピクチャーズを去る。
4月26日(現地時間4月25日)に行われた第93回アカデミー賞授賞式では、『ノマドランド』(公開中)が作品賞およびクロエ・ジャオの監督賞、フランシス・マクドーマンドの主演女優賞と、主要賞を制覇。サーチライト・ピクチャーズが過去に作品賞を受賞した4作品にもう1作品が加わることとなった。
過去の作品賞受賞作には、2009年に行われた第81回の『スラムドッグ$ミリオネア』(08)、2013年に行われた第86回の『それでも夜は明ける』(13)、2014年に行われた第87回の『バードマン あるいは、(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)、2017年に行われた第90回の『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)がある。作品賞受賞作以外にも、サーチライト・ピクチャーズは『ブラック・スワン』(10)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(13)、『スリー・ビルボード』(17)、『ジョジョ・ラビット』(19)など、ハリウッドのスタジオが大型フランチャイズ作品に傾倒するなか、ストーリーテリングとクリエイターのビジョンに寄り添った作品を作る小規模スタジオとして知られてきた。過去27年のサーチライト・ピクチャーズの歴史のうち、ギルーラとアトリーは20年以上スタジオを率いる上級役員として任務を果たし、サーチライトの揺るぎない評価と確固たるブランドを築いてきた。
主に劇場配給のスペシャリストとしてハリウッドで活躍してきたギルーラと、制作とマーケティングのスペシャリストとして2人3脚でスタジオを率いてきたアトリー。彼らの後任には、制作を統括しているマシュー・グリーンフィールドとデビッド・グリーンバウムが共同会長として就任する。2021年末には、長年に渡りディズニーを率いてきたボブ・アイガー取締役会長の退任も予定されている。
文/平井 伊都子