【第93回アカデミー賞】主演女優賞は『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンド!
現地時間4月25日(日本時間4月26日)に開催中の第93回アカデミー賞授賞式。主演女優賞は、『ノマドランド』(公開中)のフランシス・マクドーマンドに輝いた。フランシスにとって『ファーゴ』(96)、『スリー・ビルボード』(17)に続き、3度目の同賞主演女優賞の獲得となった。
『ノマドランド』は、『スリー・ビルボード』の製作会社サーチライト・ピクチャーズとフランシス・マクドーマンドが再タッグを組んだロードムービー。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」を原作に、企業の破綻と共に、長年住み慣れた住居も失ったファーン(フランシス)が、“現代のノマド=遊牧民”として、季節労働の現場を渡り歩く姿をアメリカ西部の美しい大自然と共に描く。主演と共に製作も担ったフランシスは、本作で実在のノマドたちと共演。自身の生き方や考え方、ファッションなどライフスタイルのすべてを投影して、ファーンというキャラクターを作りあげた。
プレゼンターを務めたのは、レニー・ゼルウィガー。フランシスの名前が呼ばれると、クロエ・ジャオ監督も大きくガッツポーズ。フランシスは「言葉で表現できません」とあふれる想いをかみしめるように、「私たちは作品を通じて、戦っているのです。この仕事が大好きです。そのことを知っていただきたいと思います」と簡潔でありながらも力強く語り、大きな拍手を浴びていた。
フランシス・マクドーマンドは1957年生まれ、米国イリノイ州出身。1984年、コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』で映画デビュー。『ミシシッピー・バーニング』(88)、『あの頃ペニー・レインと』(00)、『スタンドアップ』(05)でアカデミー賞にノミネートされ、 『ファーゴ』で同賞主演女優賞を受賞。娘を殺された母親を熱演した『スリー・ビルボード』でも同賞主演女優賞を獲得しており、個性派俳優の地位を確立した。今後の出演作には、サーチライト・ピクチャーズ配給、ウェス・アンダーソン監督の『The French Dispatch』(21・原題)、A 24製作、ジョエル・コーエン監督、デンゼル・ワシントン共演の『Macbeth』(原題)がある。
文/成田おり枝