【第93回アカデミー賞】ブラックパンサー党の指導者を熱演したダニエル・カルーヤが助演男優賞を受賞!
現地時間4月25日(日本時間4月26日)に開催中の第93回アカデミー賞授賞式。助演男優賞に輝いたのは、『Judas and the Black Messiah』(21)のダニエル・カルーヤで、2度目のノミネートにして初受賞を果たした。
『Judas and the Black Messiah』でカルーヤが演じたのは、アメリカ合衆国の黒人社会運動家で、ブラックパンサー党の指導者として知られるフレッド・ハンプトン役。本作は、1969年に警察とFBIの襲撃を受け、21歳の若さで暗殺されたハンプトンの人生に迫る伝記映画となっている。アカデミー賞では助演男優賞のほか、作品賞、撮影賞、歌曲賞、脚本賞の5部門にノミネートされた。
カルーヤはオスカー像を手に「神様、本当にありがとう。神の導きがあったからこそ、いまここに立てています」と感無量の様子。
また、ライアン・クーグラー、チャールズ・キングなどキャスト、スタッフ、スタジオ名などを挙げて心から感謝し「すばらしいサポートをしてくれた全員に感謝します。皆さんがすべてを尽くしてくれて、このような映画ができたことが大変嬉しく思います」と、語ったあと、自身が演じたフレッド・ハンプトンについて「非常にインスピレーションを与えてくれました。彼は21歳で亡くなりましたが、子どもたちの食料、医療、教育を提供できるようにして尽力してくれた。黒人のコミュニティーに対して愛情を示してくれた。分断ではなく統一することの強さを教えてくれたフレッドは、心から感謝したい」と述べた。
また「僕はまだまだ努力しなければいけない。火曜からまた仕事に戻りますが、生きていることはすばらしい!うちの母親は、セックスを楽しんだからこそ、私はここにいるんです。全員に感謝します」と笑いをとって会場を湧かせた。
ダニエル・カルーヤは1989年生まれ、英国出身。『ゲット・アウト』(17)でも第90回アカデミー賞をはじめ、数多くの主演男優賞にノミネートされた。『Judas and the Black Messiah』では、第79回ゴールデングローブ賞や第26回放送映画批評家協会賞、第27回全米映画俳優組合賞も受賞している。
文/山崎伸子