『ジョゼと虎と魚たち』がアヌシー国際アニメーション映画祭コンペティション&オープニングにW選出の快挙!
芥川賞作家の田辺聖子の代表作をアニメ化した『ジョゼと虎と魚たち』(20)。本作が、世界最大規模のアニメの祭典、アヌシー国際アニメーション映画祭2021の長編部門コンペティションとオープニング作品に選出された。
2003年には妻夫木聡と池脇千鶴の共演で実写映画化もされた恋愛小説「ジョゼと虎と魚たち」。今回のアニメ映画では、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、「ノラガミ」シリーズのタムラコータローがアニメ映画初監督を務め、『ストロボ・エッジ』(15)の桑村さや香が脚本を担当。「鋼の錬金術師」や「僕のヒーローアカデミア」のボンズがアニメーション制作を手掛け、第44回日本アカデミー賞では優秀アニメーション作品賞を受賞するなど注目を集めた。
物語は、脚が不自由で絵と本と想像の中で自分の世界を生きる少女ジョゼ(声:清原果耶)と、夢を追いかける大学生の恒夫(声:中川大志)によるラブストーリー。はじめは互いに衝突し合いながらも次第に心の距離が近づけ、やがてジョゼは夢見ていた外の世界に恒夫と飛びだすことを決心する。
同映画祭でのオープニング作品と長編コンペティション部門の同時選出、そして日本の作品がオープニングを飾るのは、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』(13)以来の快挙。選出を受けてタムラ監督は「“外の世界へのあこがれ”、ジョゼが抱くこの想いは、いまや世界共通のものになったように思います。本作が歴史ある映画祭のオープニングを飾ることが出来、大変光栄です」と喜びをコメント。あわせて「作品を大きなステージへ上げてくださった方々へ感謝するとともに、映画祭の成功を心よりお祈り申し上げます」と感謝と思いを寄せている。
なお本作は、昨年の釜山国際映画祭でもアニメ映画では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(07)以来13年ぶりにクロージング作品に選出されたほか、台湾では同日公開の全作品のなかで首位を獲得しており、世界的にも高い評価を得た作品となった。
今後は「ところざわサクラタウン」内イベントスペース「ジャパンパビリオン ホールB」にて6月11日(金)より本作が上映される予定。さらに、8月25日(木)にはBlu-ray&DVDのリリースも控えている。まだまだ話題と楽しみを届けてくれるアニメとなった『ジョゼ虎』。それぞれ夢を抱くふたりの男女がまっすぐに向きあっていく姿は、これからもきっと観る者の心を揺さぶるはずだ。
文/サンクレイオ翼