『クワイエット・プレイス』続編、コロナ禍最高成績で北米首位!『クルエラ』は苦しいスタートも観客から好評
全世界興収3億3000万ドルを記録した『クワイエット・プレイス』(18)の続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(6月18日日本公開)が初登場1位に輝いた先週末(5月28日から30日)の北米興収ランキング。オープニング3日間の興収4754万ドルは、前作の5020万ドルに匹敵する高水準であると同時に、コロナ禍に突入した昨年3月以降で最高の成績。北米の映画界は本格的に長いトンネルから抜けだしたようだ。
もともと同作は昨年3月中旬に公開を予定していたが、国内の映画館が休業となったことを受けて2020年9月→2021年4月→2021年9月と幾度となく延期を重ね、今年の春になってメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)週末への前倒し公開が決定。なお、5月31日のメモリアルデーの祝日を含めればすでに興収5700万ドルに到達しており、単純に初日から4日間の興収で比較すれば前作(5437万ドル)を上回っている。
同じく28日から公開された『クルエラ』(公開中)は、『クワイエット・プレイス〜』以上の上映館数があったにもかかわらず、興収ではダブルスコアの差を付けられる苦しいスタート。同作はディズニープラスのプレミアアクセスでの同時配信となっており、その影響も少なからずあるのだろうか。しかし同じ上映形態をとった『ラーヤと竜の王国』は、オープニングこそ伸び悩んだものの13週連続で興収ランキングの5位以内をキープし、北米累計興収は5000万ドルを突破している。
『クルエラ』は、イギリスでも韓国でも他のビッグタイトルの後塵を拝することに。イギリスでは6月4日(金)に北米公開される『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021年秋日本公開)と公開2週目の『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』(6月25日日本公開)に次ぐ3位発進。韓国でははやくも全世界興収2億3000万ドルを突破した『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(8月6日日本公開)に次ぐ2位発進となっている。
それでも批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は74%と伸び悩む一方、観客からの好意的評価は97%と『アラジン』(19)や『美女と野獣』(17)を上回る好評ぶり。映画館の復活とともに強力タイトルが次々公開されるなかで、『クルエラ』はどこまで息の長い興行をつづけられるだろうか。
文/久保田 和馬