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「ついに怪獣王を決める時が来た」『ゴジラvsコング』監督が明かす、勝敗を明確に描いた理由

インタビュー

「ついに怪獣王を決める時が来た」『ゴジラvsコング』監督が明かす、勝敗を明確に描いた理由

「ゴジラかコングか、ついに怪獣王を決める時が来たんです」

因縁の対決、ついに決着…!
因縁の対決、ついに決着…![c]2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

日米映画界を代表する怪獣たちが激突する今作、どちらが真の怪獣王か白黒つけたのは、結果を含めウィンガードのこだわりだった。「僕は『キングコング対ゴジラ』が大好きなんですが、唯一の不満は勝者が曖昧だったことです。小学校2年生の時、ゴジラとコングが戦ったらどっちが勝つか親友と議論になって大喧嘩にまで発展しました。だから本作のオファーをもらった時、ついに怪獣王を決める時が来たぞ!と思いましたね」と明かし、監督の要請を受けた時点で、その勝敗を明確に描くつもりだったという。

いっぽう、頭を悩ませたのはシリーズ作品としてのバランス。「単独の映画であると同時に、モンスターバースの1本でもある。そのバランスをどう取るか悩んだ末、冒頭の30分にシリーズとしての役割を割り振って、あとはアクションに徹した、ノンストップのエンタテインメントとして展開させることにしたんです」。ただしゴジラのデザインは、モンスターバースの出発点に立ち返った。「前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で、マイケルはゴジラの背びれなどを大胆に変更しましたが、デザインに関しては統一感を持たせたかったので、今回はギャレスのゴジラに寄せています」。

直接対決は、物理的なダイナミズムが強調された
直接対決は、物理的なダイナミズムが強調された[c]2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

ゴジラとコングは2度にわたって戦うが、ウィンガードが怪獣バトルでもっとも重視したのが感情だという。「観てくれた人たちが感情移入できるキャラクターになるようこだわりました。ただ派手に暴れるだけでなく、アクションに彼らの気持ちを反映させたんです。感情がむきだしになるという意味で、たぶんモンスターバースのなかでも一番荒々しくなったのでは」とウィンガード。それを象徴するのがクライマックスのバトル。「このシーンのゴジラは怒り爆発状態で、前足からなにから全身を使ってコングをボコボコにする。その荒々しさは野獣のように感じられるかもしれないですね」。

「IMAXでは、ゴジラが本当に目の前にいるかのような臨場感が味わえます」

頂上決戦の舞台は夜の香港。モンスターバースでは何度も夜間の怪獣バトルが描かれてきたが、今作ではネオン輝く街中のため。その姿が鮮明に映しだされている。「これまで見たことないシチュエーションで怪獣バトルを描きたかったんです。いろんな色が溢れるなかでゴジラが放射熱線を吐いたらかっこいいだろうと考え、ネオンや看板であふれる香港に行きつきました。僕はこれまでの作品でも80年代風のネオンカラーをよく使っていますが、まさにこのシーンは、僕好みのトーンです」。

前作に続き、ヒロインのマディソン・ラッセルを演じるミリー・ボビー・ブラウン
前作に続き、ヒロインのマディソン・ラッセルを演じるミリー・ボビー・ブラウン[c]2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

ゴジラとコングの戦いは、見上げる人間のものではなく怪獣同士の目線で描かれている。「視線の高さを意識しつつ、最終的な仕上げはIMAXシアターでチェックしました。座ったのは前から5列目。クリストファー・ノーランがチェックに使ったのが3列目だと聞いて、そこだと近すぎるから少し後ろにしたのが理由なんです(笑)。でもその席で観るとものすごい迫力で、顔のアップのカットなどゴジラが本当に目の前にいるかのような臨場感が味わえました」。

ウィンガードは音楽もオリジナリティにこだわった。「伊福部昭さんの音楽は大好きですし、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』では効果的に使われていましたね。もちろん東宝のオリジナルシリーズに対する敬意も持っていますが、今作はゴジラとコングが対等に戦う物語だから、純粋な“ゴジラ映画”ではないという思いがあったんです。そこでジャンキーXLにこの映画の世界観にマッチする曲を作ってもらうことにしました」。

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