アベンジャーズをつなぎ止めてきたのは彼女!ブラック・ウィドウの半生をネタバレ全開で振り返る
たび重なる延期を経て、いよいよ『ブラック・ウィドウ』が7月8日から劇場で、7月9日からDisney+(ディズニープラス)のプレミアアクセスにて公開された。スカーレット・ヨハンソンが演じるブラック・ウィドウは、アベンジャーズ結成時から、いくども仲間の分裂を防ぎ、“家族”をつなぎ止めてきた重要人物。唯一過去が明かされていないキャラクターでもあった。今回は、MCU第24作目にして待望の主演映画となった彼女のこれまでの活躍ぶりを、ネタバレ全開で振り返っていきたい。
※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
その前にまずはキャラクターのおさらいから。ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフはロシア出身で、KGBのスパイ養成プログラム“レッドルーム”を経て、“ブラック・ウィドウ”というコードネームを名乗ることになる。任務でホークアイことクリント・バートンに接近すると、その実力を買われて、S.H.I.E.L.D.にリクルートされ、エージェントとして活躍してきた、というバックグラウンドを持っている。
トニーを魅了!秘書として初登場した『アイアンマン2』(10)
そんな彼女のMCU初登場となったのが『アイアンマン2』だ。前作『アイアンマン』(08)で派手にやりすぎたアイアンマンことトニー・スタークを監視するべく、S.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリーによってスターク・インダストリーズに送り込まれた彼女。社長職を秘書のペッパーに譲り、新たな秘書を探すトニーに、法務部の社員ナタリー・ラッシュマンとして接近する。勝気な性格とトニーの運転手ハッピーを関節技で圧倒する“何者感”で気に入られ、まんまと秘書になることに成功する。
その後、トニーがアベンジャーズにふさわしいかを見極めていたことを明かすと、一時はトニーとぎくしゃくした関係になってしまうが、和解して共闘することに。車の中でドレスからブラックスーツに早着替えという大胆な振る舞いで運転手のハッピー(&観客)をドギマギさせたかと思えば、男たちをまとめてなぎ倒していくカッコ良すぎる姿で観る者をくぎ付けにした。
特別な力は持たなくても大活躍!男たちをまとめる上げた『アベンジャーズ』(12)
地球征服を目論む邪神ロキに立ち向かうアベンジャーズの一員として活躍を見せた『アベンジャーズ』。ロシアのスパイに拷問された直後にもかかわらず、ブルース・バナー/ハルクをS.H.I.E.L.D.に招き入れるミッションを押し付けられるなど、冒頭から大忙しのナターシャ。柔らかな物腰ながらハルクの存在をちらつかせるバナーにビビりつつも、最後には銃を突きつけるワイルドなスタイルで彼を説得することに成功。特別な力は持たないが、度胸でスーパーヒーローたちと対等に渡り合っていく。
その後も、一堂に会したアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクら男たちが揉める一方で、捕まえたロキを尋問し、彼の目論見を見破ったうえ、ホークアイを正気に戻すなど大活躍。NYでの決戦でも市民の救助を優先し、自分の役割を全うした。
そんな彼女の最大の功績は、エゴで揉める男たちにあきれながらも、彼らを見捨てなかったことだろう。結果一つにまとまったアベンジャーズは地球最大の危機を乗り越え、絆を築き上げていった。
しだいに心の内が明らかになっていく『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)
S.H.I.E.L.D.が実は悪の組織ヒドラに侵されていた…というビックリ展開となった『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』では、キャップと共に逃亡犯として行動することに。的確なスキルで奮闘し、一連の出来事の元凶であるS.H.I.E.L.D.の高官を死に追いやるなど、エージェントとしての能力を存分に見せつけた。
しかし、この作品でそのスキル以上に際立っていたのが、これまでほとんど描かれなかった彼女の感情面。追っ手に見つかりそうになったところを、キャップにキスをするという大胆な策で難を逃れると、その後の車中で「1945年以来のキスだった?」と恋愛経験に乏しいキャップをからかい、クール一辺倒だった彼女がお茶目な表情を覗かせている。
さらに、フューリーの死(実際は偽装死)の際には涙を流し、「この仕事は私に向いてない」と弱音を吐いたり、「真実なんて状況で変わる」と処世術を語ったりとシリアスな表情も。最後には、今回の一件や過去の経歴について政府から問い質されるが、啖呵を切って席を立つという覚悟に満ちた振る舞いまで見せてくれた。
ハルクと恋仲に発展するが…『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15)
自我を宿した人工知能ウルトロンの暴走を食い止めるため、再びヒーローたちが集結する『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』。本作では、暴走するハルクをブルースに戻す役割を担ったり、敵に捕まりながらも居場所を仲間に教えるなど、前作『アベンジャーズ』以上にチームのために身を粉にして戦ってみせた。
そんななか、バーカウンターで酒を飲みながら駆け引きを楽しむといったブルースとのロマンスが急激に加速。不妊手術を受けていることを打ち明け、一緒に姿を消すことを提案するなど、本気で深い仲になろうとする様子が窺える。しかし、街を破壊してしまったことのショックからハルクが行方をくらましてしまい、ナターシャは傷心。それでもトニーやクリントが去った後のアベンジャーズの中心として気丈に振る舞った。