アベンジャーズをつなぎ止めてきたのは彼女!ブラック・ウィドウの半生をネタバレ全開で振り返る
アベンジャーズをつなぎとめよう孤軍奮闘『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)
アベンジャーズを国連の管理下に置くかどうかを巡り、アイアンマン派とキャプテン・アメリカ派にアベンジャーズが内部分裂する『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。キャップと共にアベンジャーズをまとめていたナターシャだが、アベンジャーズを存続させるために、賛成派のアイアンマン側につき、ブラックパンサーをスカウトするという、さすがというべき冷静沈着なムーブを決めていく。
とはいえ、自分の居場所であるアベンジャーズを守りたいという想いに基づいての行動であり、アイアンマンとキャップをはじめとするメンバーたちがぶつかるなか、バトルの場でも積極的には戦わず、最後にはキャップの気持ちを汲むなど、双方に理解を示し、なんとか彼らをつなぎとめようと奮闘した。
しかしそんな想いも虚しく、チームがバラバラになったうえ、キャップを逃したことをトニーに責められると、彼を非難し姿をくらましたナターシャ。『ブラック・ウィドウ』では、この後、彼女がなにをしていたのか?という点に焦点が当たっている。
いろいろと吹っ切れた印象の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)
インフィニティ・ストーンをそろえ、世界を変えようと企むサノス一味の地球襲来が描かれる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。『シビル・ウォー』の一件でお尋ね者となり、キャップと共に秘密裏に反テロ活動していたナターシャは、変装の意味もあり、これまでと打って変わっての金髪ワンレンヘアスタイルを披露している。
キャップ、ファルコンとワンダとヴィジョンの窮地に駆けつけ、敵を圧倒するクールな登場に加え、嫌味を言ってくる国務長官に皮肉で返すなど、見た目も相まってかなにか吹っ切れた印象を受ける本作のナターシャ。ブルースとの再会でもよそよそしくするなど、特に関係に発展は見られなかった。
ワカンダでのサノス軍との全面衝突の際には、ワンダらと敵の主軸の一人を撃破。だが、インフィニティ・ストーンをコンプリートしたサノスの指パッチンには為す術なく、仲間たちが消えていくのを、ただ見ていることしかできなかった。
アベンジャーズのために犠牲に…悲しすぎる最期とは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)
自らの居場所で、家族であるアベンジャーズを守るために、ナターシャが壮絶な最期を遂げることになる『アベンジャーズ/エンドゲーム』。前作から5年、絶望に暮れ、トニーやキャップらが自らの生活に戻るなか、ナターシャはキャプテン・マーベルらと連絡を取り合いながら、人口が半分になった地球を守ろうと活動を続けていた。
そんななか、消えた人たちを復活させる希望が見えると、家族を失った悲しみから暗殺者となっていた親友クリントを連れ戻し、ついにアベンジャーズを再集結させることに成功する。そしてクリントと共に、復活に必要なソウル・ストーンを求めて惑星ヴォーミアへ向かうが、石を手に入れるための条件として“命の犠牲“が必要と判明。互いが互いの命を尊重し、それぞれが自ら崖から身を投げようとするなか、最終的にナターシャが命を落とすというショッキングな展開が描かれた。
これまでずっとアベンジャーズを第一に行動してきた彼女の犠牲によってインフィニティ・ストーンが揃い、より結束を深めたアベンジャーズは、5年前に消えてしまった仲間を取り戻し、ついにサノスとの全面対決に打ち勝つ。
孤独なスパイの過去が明かされる…『ブラック・ウィドウ』
この悲しき結末ゆえに、彼女が主役の『ブラック・ウィドウ』は過去に遡る物語となっている。時系列では『シビル・ウォー』で失踪した直後、『インフィニティ・ウォー』でキャップと共に対テロ活動をすることになるまでの間。ロシアに戻ったナターシャが、自らの過去と向き合うことになるというものだ。
突如姿を現した“妹”のエレーナと共に、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織レッドルームの秘密を知ったナターシャ。命をねらわれた2人は、偽りの“家族”を唯一の味方に、レッドルームの陰謀に立ち向かう。
思えば、『エイジ・オブ・ウルトロン』でスカーレット・ウィッチ/ワンダに幻を見せられた時以外、ほとんど語られてこなかったナターシャの過去。圧倒的な美貌、身体能力、明晰な頭脳を持つ一流のスパイはどのようにして誕生したのか?そして、なぜあの最期を選択したのか?その真実が本作では明らかになっていく。
エゴイスト集団とも言えるような個性の集まりであるアベンジャーズが円滑に回るように振舞う、影の功労者だったブラック・ウィドウ。ついに彼女に光が当たる『ブラック・ウィドウ』でどんな活躍を見せているのか、その目で確かめてほしい。
文/サンクレイオ翼