玉城ティナ「女優業は正解がないところも含めておもしろい」『竜とそばかすの姫』で声優にも初挑戦
「私は普段から役に入る時、声をとても大事にして演じてきました」
玉城はアフレコの難しさについて「画の尺は決まっていて、決まった秒数で口を合わせないといけないから、初日はそこに慣れるまで時間がかかりました。また、会話のテンポ感がいいので、乗り遅れないようにするのが難しかったです」としながら「自分じゃないものに声を当てるという経験はなかなかできないことだから」と楽しんで臨んだそうだ。
「私は普段から役に入る時、自分のなかでは声をとても大事にして演じてきました」という玉城。その理由は、アニメ版ありきの実写映画化作品に参加することが多かったからだそうで、「自分なりにキャラクターの声に合わせ、声の高さや声量がどのくらいなのかと考えて演じていました」と、これまでのスキルも活かされたようだ。
また、本作ですず役を務めた中村佳穂の印象については「もともと中村さんの曲を聴いたことがあったのですが、今回演技が初挑戦とは全然思えませんでした」と語った。
「お会いした時、すごく落ち着いているように見えたし、できあがった映画からも、初めてだなんて微塵も感じられませんでした。歌については、最初に震えるような声から入る曲を聴いた時、細い声もすてきだなと思いましたが、そこから高音への世界観が広がるような流れもすばらしくて。聴いていて心を動かされました」。
劇中で展開されるインターネット上の仮想世界<U>の世界観は、まさにスクリーンで体感するに値する没入感を生む。50億人が集うというUについて玉城は「いまの時代にマッチしていて、『令和のアニメーション映画だな』と思いました」とすんなり入り込めたとか。
「私は体験したことはないですが、VRみたいなものもすでにあるし、ネットの世界で2つ以上のアカウントを持っている方もたくさんいる。すずがお母さんから歌を教わる時も、スマホでピアノが弾けるアプリを使っている姿なんかも、身近な世界だなと思いました」。
本作では<U>を通して、ネットの影響力や昨今の誹謗中傷問題なども描かれていくが、SNSの公式アカウントを持っている玉城自身は、ネガティブなコメントなどをどう受け止めているのだろうか。
「気にしたくなくても、仕事上、気にしないといけないところがありますが、昔に比べてそういう意見をいただける機会が増えたことは、メリットかなとも思っています。でも、良いことも悪いこともそのまま受け止めたりはしないです。もちろん10代の頃は気にしていたんですが、それで悩んでもしょうがないかなと。なにを言われても、結局は自分で決めて行動するしかないので、『こういう意見もあるんだ』と参考にさせてもらったりはします」。