「ドラゴン桜」で注目の新星、鈴鹿央士「出会った作品に運命を感じた」『星空のむこうの国』で光る個性
映画デビュー作『蜜蜂と遠雷』(19)で映画賞の新人賞を総なめし、連続ドラマ「ドラゴン桜」(21)の優等生、藤井遼役でお茶の間でも人気を博した俳優の鈴鹿央士。初の映画単独主演作は、運命の人と時空を超えて奇跡の再会を果たす青春ラブストーリー『星空のむこうの国』(公開中)だ。女優の広瀬すずに見いだされ、俳優の道へ入ってから早2年、彼は常に「なんとかなる」というポジティブシンキングで道を切り開いてきたようだ。
『星空のむこうの国』は、小中和哉が1986年に監督した同名映画を、35年ぶりにセルフリメイクした意欲作。高校生の昭雄(鈴鹿)は、2か月間、同じ美少女(秋田汐梨)が現れる夢を毎日見続けてきたが、ある日、目の前にその少女が現れる。理沙という名の彼女は、どうやら昭雄がいる世界とは違う場所で、昭雄のことを呼び続けていたようだ。やがて2人は惹かれあい、33年に一度のシリウス流星群が地球に最接近する日、ある約束を果たすために行動を起こす。
「同世代の共演者たちからたくさんの刺激をもらいました」
パラレルワールドの世界観を美しい映像で綴った本作で、映画単独初主演を担った鈴鹿だが「これまでに先輩俳優である松岡茉優さん(『蜜蜂と遠雷』で主演)や満島真之介さん(ドラマ「カレーの唄。」で主演)などの、すごく大きな背中をたくさん見てきました。だけど、僕はその方たちみたいに頼もしい感じは出せないと思ったので、そのままでいこうという感じで入りました」とそこまでの気負いは感じなかったとか。
ヒロインの理沙役を、映画『惡の華』(19)や「賭ケグルイ」シリーズの秋田汐梨が、昭雄の親友、尾崎役を、パフォーマンスグループ「lol -エルオーエル-」のメンバーで、俳優としても活動する佐藤友祐が務めた。そして1986年版でヒロインを務めた有森也実が、理沙の母親役を演じている。鈴鹿は今回の出演にあたり、事前に1986年版も観たが「小中監督から『リメイク版は新しい映画として作るから、昭雄も鈴鹿くんの昭雄でいいです』と言っていただいたので、ほとんど意識せずに臨めました」と言う。
理沙役の秋田については「僕と同い年くらいかと思っていたら3つも年下でしたが、すごく大人びていて、でもフレッシュさもあるという不思議な方だなと思いました」と、佐藤については「お互いに好きなゲームの話題で盛り上がったり、尾崎という役名だったので、僕が好きな尾崎豊の歌を歌ってもらったりして、本当に仲良くなれました」とうれしそうに語る。
鈴鹿は、共演者同士のコミュニケーションをとても大切にしているようだ。
「一緒にお芝居をしていても楽しいんですが、撮影の合間にいろんな話ができるのがいいんです。秋田さんは同じモデル同士なので、モデル業について話したり、佐藤くんはアーティスト活動もされているから、歌や踊りなどについて話を聞いたりしました。『ドラゴン桜』などの学園ものも、同世代の人たちとの共演が多かったので、その方たちがいまどういう想いでやっているのかを聞いたりして、かなり刺激をもらいました」。