「ドラゴン桜」で注目の新星、鈴鹿央士「出会った作品に運命を感じた」『星空のむこうの国』で光る個性
「出会った作品一つ一つに運命を感じました」
本作は、星空のむこうの国から運命の人を呼び寄せるという物語だが、鈴鹿自身は運命を信じるタイプなのか?と尋ねると「恋愛の運命などはそんなに信じていないんですが、僕自身がこれまで生きてきたなかで出会った人たちや作品などについては、運命を感じます。例えば、『蜜蜂と遠雷』のあと、本当は違うドラマに入る予定でしたが変更になって、『決算!忠臣蔵』に出演できたし、コロナ禍で撮影が中止になったものがあったから、本作に出演できたので」。
デビュー以降、俳優業は順風満帆な印象を受けるが、もしも過去に戻れるのであれば、変えたい過去はありますか?と聞くと、「このままでいいです」と言ったが少し考えたあとで「変えたい過去はちょこちょこありますが…」と苦笑い。
「せっかく岡山にいたので、学生時代にもっといろんなところへ行って、自然を満喫しておけば良かったです。上京してから、岡山ってなんていいところだったんだ!と気づき、帰省して星をたくさん見に行くようになったのですが、そういうところに学生時代に彼女と行けたら良かったなと」と後悔しているとか。劇中でもまさにそういうシーンがあるのだが「やっぱりリアルがいいです」と本音をつぶやくあたりが、ティーンエージャーらしくてとても初々しい。
鈴鹿と言えば、広瀬が出演した映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』(17)でエキストラとして出演されている時、広瀬の目に止まり、そこでスカウトされたが、その出会いについても「大きな運命でした」とうなずく。
「あの時、自分の高校でロケをしていたので声をかけてもらったのですが、ちょうど他の作品のロケも近所でやっていたので、そちらに参加していたらスカウトされてなかったのではないかと。だから本当に運命だったと」。
鈴鹿はまさか自分が芸能界に入るとは夢にも思っていなかったそうだ。
「僕は岡山の田舎で育ったので、テレビや映画の世界にいる人たちと関わることなんてないと思っていました。大学で家を出るとしても、福岡か神戸あたりを考えていましたが、スカウトされたので、大学も東京に行くことにしました。当時はすべてをそのまま受け入れていましたが、あとから考えたら、運命というものにレールを敷かれていた気もします」。
鈴鹿はもともとどんな時でも「なんとかなる」と思えるポジティブな性分だと言う。
「親もそれをわかっていたので、スカウトされたことを相談した時も、母親は『誰にでもあるチャンスではないから、まずは大学に行って、就活する段階で普通に就職するか、芸能活動を続けていくのか考えたらいいんじゃない?』と、2つの選択肢を与えてくれたんです。いわば背中を押してくれたので、気軽に飛び込めた感じでした」。