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いくつ覚えてる?NIKEのスニーカーと映画の“イイ関係”…『フォレスト・ガンプ』にBTTF、『スペース・プレイヤーズ』まで

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いくつ覚えてる?NIKEのスニーカーと映画の“イイ関係”…『フォレスト・ガンプ』にBTTF、『スペース・プレイヤーズ』まで

もうひとつ、「NIKEオマージュ映画の先駆的な一本」であり、筆者自身が最初にNIKEのスニーカーを意識した名作を挙げたい。それはタイムスリップSFの金字塔『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)である。

SF映画の金字塔となった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
SF映画の金字塔となった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』写真:EVERETT/アフロ

本作でマイケル・J・フォックス扮する高校生マーティが履いていたのがNIKEの「ブルイン レザー」だ(ちなみにチェックシャツのインナーとしてGAPの赤のポケット付きTシャツを着ていたことも忘れ難い)。そして発明家ドク役のクリストファー・ロイドがデロリアンから降り立つ時に履いていたのが、オレンジ色の「バンダル ハイ」というモデルである。

ホバーボードも話題に(『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』)
ホバーボードも話題に(『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』)写真:EVERETT/アフロ

またさらに「2015年の未来」(!)を舞台にした続編『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)では、マーティは未来仕様のNIKEのスニーカーを履いていた。この劇中モデルを忠実に再現した「エアマグ」が2011年に限定発売。日本には1足だけやってきて、公開オークションが開かれてなんと220万円で落札された。2016年には自動で靴ひもが閉まる「パワーレース」も搭載された超ハイテクモデルが89足限定で発売されたことも話題に。これなど映画とNIKEが仕掛けた「夢のタイアップ」の最たる好例だろう(もちろん現物を手に入れることは叶わないけども!)。


ちなみに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同じロバート・ゼメキス監督の『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)で、トム・ハンクス扮する主人公フォレスト・ガンプが何往復も走ってアメリカ横断する際にずっと履いていたのが、古くから愛されるNIKEのモデル「コルテッツ」だった。スパイク・リーとゼメキスというあまり接点のなさそうな2人の映画監督が、共にNIKE愛好者というのは、その人気の圧倒的な幅広さを端的に示しているようである。

第67回アカデミー賞でトム・ハンクスが主演男優賞を受賞した『フォレスト・ガンプ/一期一会』
第67回アカデミー賞でトム・ハンクスが主演男優賞を受賞した『フォレスト・ガンプ/一期一会』写真:EVERETT/アフロ

ほかにも『ブレックファスト・クラブ』(85)でアンソニー・マイケル・ホールが履いていた青と黄色のランニングシューズ「インターナショナリスト」や、『ターミネーター』(84)でマイケル・ビーンが着用したブラックとシルバーの「バンダル ハイ」は、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(15)でもオマージュ的に再登場していたことなども想い出す。

青と黄色のランニングシューズ「インターナショナリスト」が登場する『ブレックファスト・クラブ』
青と黄色のランニングシューズ「インターナショナリスト」が登場する『ブレックファスト・クラブ』写真:EVERETT/アフロ

アニメーションの『スパイダーマン:スパイダーバース』(18)では主人公マイルスが履く「エア ジョーダン1オリジンストーリー」のかっこよさが話題となった。共同監督を務めたロドニー・ロスマンは「周りからは『ナイキからお金を貰ったんだろ』って散々言われるけど、むしろ逆で、われわれから『お金を払ってマイルスに履かせたい』って言ったくらいだよ(笑)」(『WWD』2019年3月11日配信記事/Text by小川陸)とインタビューに答えている。

このようにNIKEのスニーカーが登場する映画は文字通り無数に存在し、自分のささやかな記憶をたどっていくだけでもキリがない。もちろんアメリカ映画だけでなく、例えば韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(11)でも、1980年代後半のソウルで暮らす女子高生たちは洋楽を聴きながら、NIKEのスニーカーやスポーツバッグを愛用していた。

1980年代後半のソウルで暮らす女子高生たちがNIKEのスニーカーを愛用していた『サニー 永遠の仲間たち』
1980年代後半のソウルで暮らす女子高生たちがNIKEのスニーカーを愛用していた『サニー 永遠の仲間たち』写真:EVERETT/アフロ

世界中の映画が我々人間の営みの様子を映せば、そこにはライフスタイルに密着したアイテムが自然に登場する。その意味でまさしくNIKEこそ、マーケティングにおいて最も幸福な成功を収めているブランドのひとつであることは間違いないのだ。

文/森 直人


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