その名もズバリ!手のひらに目がついた妖怪・手の目【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第15回:手のひらに目がついた妖怪・手の目
今回紹介する手の目は、目玉が顔ではなく手のひらについた妖怪。座頭の姿をしており、鳥山石燕の「画図百鬼夜行」にも描かれている。江戸時代の怪談集「諸国百物語」にある、京都七条河原の墓所に現れた老人の話がモデルになったとされ、一説には、かつて目の見えない老人が強盗に殺されてしまい、殺した相手を見ることができればという怨念から妖怪化したそうで、捕まえた人間の体から骨を抜き取るという恐ろしい一面も。ギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』(06)に登場する魔物ペイルマンは、手の目からインスパイアされたものともいわれている。
本作では、妖怪の世界に足を踏み入れたばかりのケイの前に姿を現す。足元からスッと伸びた手が開くと、そこにはぎょろりとした目玉が。慌てふためくケイは、そこから立て続けにたくさんの妖怪たちと遭遇することに。ユニークで優しい日本の妖怪たちの仲間なので、言い伝えほど危険な妖怪ではないはず…。
そんな手の目は、ほかのシーンでもチラリと登場。是非とも『妖怪大戦争 ガーディアンズ』本編で探してほしい!
文/久保田 和馬