日本でも発見されたことが?半人半魚の神話上の生物・人魚【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が現在公開中だ。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第48回:半人半魚の神話上の生物・人魚
今回紹介する人魚は、世界中に様々な言い伝えがある神話上の生物。一般的には上半身が若く美しい女性、下半身が魚になった半人半魚の姿をしており、甘い歌声で船乗りたちを惹きつけて船を難波させる恐ろしい存在として知られている。元々のケルトの伝承では人間と変わりない姿であったといわれており、一方ギリシャ神話では半人半鳥の魔物として描かれ、後に人魚のような姿に変化したとされている。日本においても「日本書紀」のなかに大阪で人魚が発見されたとの記述があり、やがて大津波や暴風雨の前兆であるといわれるようになった。
本作では、日本の妖怪たちだけでなく、世界中のモンスターたちも一堂に会した世界妖怪会議<ヤミット>のシーンに登場。水色の鱗を持つ女性の姿をしており、一般的な人魚のイメージそのもの。妖怪獣をめぐる喧々囂々の議論が繰り広げられるなか、このままでは“あのお方”封印された結界が破壊されてしまうと聞くと「結界が破壊されたら?」と問いかける。同じ海にルーツを持つ者として、妖怪獣になにか思うところがあるのだろうか…。
日本の妖怪たちにとどまらず、世界中からモンスターや神話上の生物など様々な魑魅魍魎が大集結した<ヤミット>のシーンは『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の見どころの一つ。是非とも刮目してその一部始終を見届けてほしい!
文/久保田 和馬