【今週の☆☆☆】時間が異常加速する!?『オールド』、“2021年の今”とも共振する『サマー・オブ・ソウル』など、週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】時間が異常加速する!?『オールド』、“2021年の今”とも共振する『サマー・オブ・ソウル』など、週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、M.ナイト・シャマラン監督が“時間”をテーマに描くスリラー、韓国スター豪華共演によるアクション超大作、約50年間封印されてきた音楽フェスのライブパフォーマンスが甦るドキュメンタリーのパワフルな3本!

予想外に胸を締めつけられる人も多いのでは…『オールド』(公開中)

一家の父親役にガエル・ガルシア・ベルナル(『オールド』)
一家の父親役にガエル・ガルシア・ベルナル(『オールド』)[c]2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

足を踏み入れた者は急速に肉体が老化する謎のビーチ。そんな奇抜なシチュエーションを、M.ナイト・シャマランが監督する。この前提だけで映画ファンの心をくすぐる本作だが、冒頭の高級リゾートホテルのシーンから、じわじわ怪しい空気が充満し、テンションが上がる。要所ではシャマランらしいドッキリ描写が用意され、実際に主人公たちがビーチに到着すると、高い絶壁に囲まれた“脱出不可能”な状況とともに、時間の流れが速くなった事例があちこちで起こり、観ているこちらを混乱に陥れていく。
俳優のチェンジ、特殊メイク、演技の工夫、さらにカメラのアングルなどで巧みに表現される、各人物の成長&老化が見どころ。そして隔離された不安がコロナ禍の日常と重なり、残りの人生をどう生きるかというテーマで、予想外に胸を締めつけられる人も多いのでは?原作も存在するが、結末はシャマランが考えた。今回はうまくまとまっている気が…。毎度おなじみ、シャマランの特別出演も“らしい”役なのが微笑ましい。 (映画ライター・斉藤博昭)

「人類史におけるエポックメーキングな日々」を再構成…『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』(公開中)

ゴスペルの女王メイヴィス・ステイプルズ&マヘリア・ジャクソンが熱唱!(『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』)
ゴスペルの女王メイヴィス・ステイプルズ&マヘリア・ジャクソンが熱唱!(『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』)[c] 2021 20th Century Studios. All rights reserved.

これは世紀の大発見であり、ドキュメンタリーの形をした歴史再生の一大プロジェクトだ!一般的に「1969年のアメリカ」を象徴する屋外イベント、伝説の“音楽の祭典”と言えばウッドストックを思い浮かべるが、同じ年、しかもそれよりも少し早く開催された「第3回ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のエッセンスがここに。すなわち、まだ若き19歳のスティーヴィー・ワンダーから始まって(ドラムソロも披露)、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの怒涛のパフォーマンスまで、約50年間、とある地下室に埋もれたままになっていた超レアな記録映像を現代に甦らせたのだ。初監督を手がけたクエストラブは、意識変革真っ只中のブラックカルチャーのみならず、勃興していた多彩な音楽ジャンル全体にも目を配り、また新たに、当時の参加アーティストや聴衆たちの証言なども盛り込んで、“2021年の今”とも共振する「人類史におけるエポックメーキングな日々」を再構成している。サンダンス映画祭のドキュメンタリー部門にて、審査員大賞と観客賞を獲得したのは当然のこと!!(ライター・轟夕起夫)


破格の迫力!熱量の高いディザスター・アクション大作…『白頭山大噴火』(公開中)

【写真を見る】朝鮮半島壊滅の危機を帯びた白頭山の噴火に、男たちが立ち向かう!(『白頭山大噴火』)
【写真を見る】朝鮮半島壊滅の危機を帯びた白頭山の噴火に、男たちが立ち向かう!(『白頭山大噴火』)[c] 2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

朝鮮半島を崩壊させかねない白頭山の大噴火を阻止せよ!そんな途方もないミッションを命じられた韓国特殊チームの運命を描く本作は、凄まじいマグニチュードの大地震がソウルの中心部を直撃する冒頭から怒濤のスペクタクルの連続だ。しかも特殊チームは軍事境界線を越え、北朝鮮の秘密基地から核兵器を奪取し、中国との国境地帯にそびえる白頭山をめざさなくてはならない。まさしく命がいくつあっても足りない荒唐無稽なストーリーを、ハリウッド顔負けの壮大な視覚効果を駆使して映像化。おまけにイ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、マ・ドンソクの三大スターがそろい踏みし、男たちの熱き友情や泣かせる夫婦愛のドラマも盛りつける貪欲さ。スクリーンそのものが噴火しそうなほど熱量の高いディザスター・アクション大作、その破格の迫力を映画館で体感してほしい。(映画ライター・高橋諭治)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!なお、緊急事態宣言下にある都道府県の劇場の一部では引き続き臨時休業を案内している。各劇場の状況を確認のうえ、足を運んでほしい。

構成/サンクレイオ翼


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