ピンチを生き抜くヒントをイラストで紹介!『モンタナの目撃者』に学ぶ、“Wの脅威”からのサバイバル術
傷ついた者同士が、年の差を超えて育む絆も胸アツ!
本作を忘れがたいものにしているのは、サバイバル・サスペンスとしてのハラハラ度だけでなく、ハンナとコナーが織り成す人間ドラマがしっかりと描かれているからだ。ハンナは一見、勇敢で強い女性に見えるが、その胸の奥は、過去に起きた事件によるトラウマに苛まれている。失敗を悔やみ、ひとりになると涙を流すハンナの姿も多くの人の共感を呼ぶはずだ。一方のコナーは、すでに母を亡くしており、唯一の支えだった父の死を目の当たりにしてしまう少年。ひとりぼっちになってしまったうえに暗殺者にねらわれるという、不安でしかたない状況だ。
そんな2人が孤独や秘密を打ち明けあった時に、彼らは強固な絆を結び、互いにかけがえのない存在となっていく。コナーは守るべき存在でありながら、ハンナは決して彼を子ども扱いせず、対等な人間として信頼を築いていく様子にグッとくる。どんな極限状態でもその時にできることを探し、手を取り合って克服していこうとする彼らの姿は、困難な時代を照らす希望の光となりそうだ。
文/成田おり枝
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